KeiS a medical professional

This is a blog about the scientific basis of medicine. A judo therapist reads research papers for study and writes about them.

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【患者の不安】解消するために院内を改善した研究

Sunday, December 20, 2020

医療基礎知識

今回は、入院時の環境について。

このブログは、医学と健康に関して後悔しないような選択肢をとってもらうために、 科学的根拠の高い論文などを紹介し、それをどう使っていくべきなのか?を私が解説・提案していくブログです。

入院まではしたことがありませんが、一時期病院の入院病棟に足繁く通う時期がありました。

病院というものは少し苦手なもので、極端に「音」が少なかったりします。

人の声や物音などが極力しない場所もありますが、
音に慣れ親しんで育った私としては、無音に近い環境はストレスになります。

実際にこういった記事を書く時も雑音を鳴らしながら書いていたほうが集中できるもの。


今回紹介する論文の内容としては、病院の環境を変えると患者の転帰に変化はでるのか?というもの。

現状医療施設によっては、施設内をこだわって設計し患者さんを落ち着かせるような設計に取り組んでいますが、実際にどういうことをすると良い転帰が得られやすいものなのか?ということが知れます。

102件の研究がこのレビューに含まれてあり、
調査された介入は、「肯定的な注意散漫」を促すことです。

・アロマ(2件の研究)
・視聴覚的注意散漫(5件の研究)
・装飾(1件の研究)
・音楽(85件の研究)

物理的な変化による環境ストレスを軽減するための介入としては、

・大気質(3件の研究)
・フローリングの種類(1件の研究)
・家具(1件の研究)
・照明(1件の研究)
・温度(1件の研究) 

芸術、病院の庭、アトリウム、花、植物などによる自然へのアクセス、
天井、病院の騒音を減らすための介入、患者管理、技術、方法を見つけるための包含基準を満たす研究は見つかりませんでした。

全体を通して、音楽は不安などの患者報告の転帰を改善するかもしれないようです。

しかし、生理学的転帰のための利益、そして薬物消費はそれほど多くの支持を持っていません。

身体的変化の実施を支持または反論する研究はほとんどなく、大気質を除いて、含まれた研究は病院環境への身体的変化が少なくとも害を及ぼさないことを示した。

ドラホタA、ワードD、マッケンジーH、ストアR、ヒギンズB、ギャルD、ディーンTP。入院患者の健康関連転帰に関する感覚環境 系統的レビューのコクランデータベース2012年第3号アート。番号:CD005315。DOI:10.1002 / 14651858.CD005315.pub2。

不安や患者の症状の進行具合などを調査した場合、
介入の方法として適しているのは音楽と空調、空気だったようです。

音楽に関しては研究結果などから、心拍数がリラックスしている時のテンポと曲のテンポを合わせながら、ヴォーカルが入っている曲がリラックスしやすいみたいな研究結果もありました。

勿論好みはありますので、私のようにロックが好きだったりするとそれで落ち着き、
不安が解消されるかはわかりませんが、やってみる価値は高いかと。


アルバイトで眼鏡屋さんで販売員をしていた経験がありますが、
その眼鏡屋さんで2週間BGMを変更しお客さんの滞在時間と売り上げ推移を実験したことがありました。

回帰分析などを行っていない為、体験談に近い結果でしたがその時はクラシック系のジャンルを選択するよりは、流行りの曲を中心としたアップテンポな曲を選択した方が売り上げや滞在時間も10~15%は向上していました。

それぐらい音楽って人の感情をコントロールできるのかも。と思っていたのですが、
病院施設に関しても同様のことが言えたようですね。

一見アロマや視覚に訴える介入は判りやすい分結果が出てもよさそうでしたが、
そうでもない結果だったようです。


医療関係施設で患者の不安を軽減させたい人は、音楽と空調を変更、改善することをおススメしたいです。

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