KeiS a medical professional

This is a blog about the scientific basis of medicine. A judo therapist reads research papers for study and writes about them.

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【予防学】足の外傷を予防するって研究

Sunday, December 20, 2020

整形外科

今回は、足のスポーツ傷害を予防する手段について。

このブログは、医学と健康に関して後悔しないような選択肢をとってもらうために、 科学的根拠の高い論文などを紹介し、それをどう使っていくべきなのか?を私が解説・提案していくブログです。

スポーツ傷害において、足の疾患というものは色々とあります。

年齢やスポーツによっても考えられる症例は異なりますが、ある程度共通している症例の1例としては「シンスプリント」というものがあります。

後脛骨筋などの筋肉が脛骨という骨に付着しているのですが、
付着している部分の骨膜などが過度に引っ張られたり、炎症したりすることでトラブルがおきます。

そんなトラブルを予防する方法は色々なものがありますが、
正直最も良いこと。

というものはわかっていません。

参照にした研究では、25の試験から30,252人の参加者を含みました。

参加者
・軍の新兵(19件の試行)
・一般集団のランナー(3件の試行)
・サッカーの審判(1件の試行)
・囚人(2件の試行)

でした。

含まれた試験でテストされた介入は4つの主要な予防戦略に分類されました

・運動の修正
・トレーニングスケジュールの修正
・装具の使用
・履物と靴下

まず、ストレッチが下肢軟部組織損傷を軽減するというエビデンスは見つかりませんでした。
(6件の試験; 5130人の参加者;危険率[RR] 0.85、95%信頼区間[95%CI] 0.65〜1.12)

筋力、柔軟性、協調性を改善するためのコンディショニングエクササイズのトレーニングレジメンを支持するエビデンスは見つかりませんでした。
(1件の試行; 1020人の参加者; RR 1.20、95%CI 0.77〜1.87)

・トレーニングをより長く、より緩やかに増やしても初心者ランナーの怪我を減らすという証拠は見つかりませんでした。
(1件の試行; 486人の参加者; RR 1.02、95%CI 0.72〜1.45)

・質の悪い試験では、追加の訓練によってシンスプリントを持つ海軍新兵の数が大幅に増加したといういくつかの証拠がありました。
(1試験; 1670人の参加者; RR 2.02、95%CI 1.11〜3.70)

膝蓋大腿装具は、前膝痛を予防するのに有効であると思われる。(オスグットシュラッター病など。)
(2件の試験; 227人の参加者; RR 0.41、95%CI 0.24〜0.67)

オーダーメイドの生体力学的インソールは、軍人新兵のシンスプリントを減少させるために、中敷がないより効果的かもしれません。
(1件の試験; 146人の参加者; RR 0.24、95%CI 0.08〜0.69)

標準的なランニングシューズではなく、足の形状に基づいてランニングシューズを着用すると、ランニング傷害の発生率が有意に低下したという証拠はありませんでした。
(2件の試行; 5795人の参加者;率比1.03、95%CI 0.93〜1.14)

ヤンSS、ヤンEW、ギレスピーLD。下肢軟部組織走行障害を予防するための介入。系統的レビューのコクランデータベース2011年第7号。番号:CD001256。DOI:10.1002 / 14651858.CD001256.pub2。


研究の結果からは、どのような介入も有効だ!と言い切れるものがなかったため、
つまりは日本国内で言われている、

・練習の頻度を落とす
・ストレッチをする
・筋トレをする
・体の動きをよくする
・サポーターなどを使う
・インソールを使う
・オーダーメイドの靴を作る

という方法の根拠性は?となるものでした。

勿論これらを上回るサンプル数や実験方法などによる介入が行われれば、覆る結論ですが、私自身で覆すとしても筋トレや体の動きを良くするプログラムの内容を精査するしかありません。

冒頭に書きましたシンスプリント以外にも当てはめないといけない介入ですが、
研究内ではオスグットシュラッター病、シンディングランセンヨハンソン病などの膝の症状に対しても記載されていましたが、膝に関してはやや効果はありそうなものでした。

できることとすれば、関節や筋力を認識し適格なプログラムで介入するという1人に対して手をかけ介入中の症状の進捗もおっていかないと何とも言えないことに。

マッサージをしている介入がないため、どれぐらい変化が出るかはわかりませんが、
以前拝見した研究では→(L) このような結果もありました。

単一な介入ではなく、適切な介入を複数実施しないと中々症状の緩和できないことも考えられるため、担当になる医療従事者は多様なアプローチを検討する必要があると思います。


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