今回は腰痛をケアする上でやらなくていいことについて
腰痛に関して治療法や予防方法などが横行するなか、腰痛診療ガイドライン上で得られる情報からそれやるぐらいなら別の方法を実施した方がよくない?というものを紹介していきます。
安静にする
急に腰痛になった場合に、激しい痛みを体験します。
そんな痛みを経験した時に動かない、安静にするという選択は現状では推奨されていません。
但し、坐骨神経痛による腰痛の場合はこの逆となります。
推奨という表現を用いていますが、有益なのかどうか?という点で見ることから、活動維持を選択した方が有益であるということになります。
安静にすることが悪ということではありませんが、有益な点が少ないことから動ける範囲で動くということが求められます。
そのため、腰痛の原因が何なのか?ということを見極める必要が出てきます。
三環系抗うつ薬
腰痛症に適応する薬剤ではありませんが、歴史的に使用されていることもあったようです。
アミトリプチリンが神経障害性疼痛への適応があることから、それらの効果の裏付けたる研究論文が参照にされています。
一部の研究で疼痛に対する効果の示唆がされていましたが、他の研究の結果などから現在腰痛に対する三環系抗うつ薬の使用は推奨するともされないという扱いに。
物理療法
牽引療法、超音波療法、経皮的電気刺激、温熱療法、コルセットとインソールなどの選択肢があるが、これらすべては効果の裏付けが弱くある。
有効性を示すエビデンスとして弱い結果だらけですので、物理療法は弱く推奨されているということになります。
この中で経皮的電気刺激に対しては、最も推奨されない方法として取れるような記載もあり、この方法をやるぐらいなら他に良い方法があるだろうということ。
理由として、VAS、機能、可動域などを比較項目として研究されたシステマティックレビューでは、偽治療と比べても有用差がないということであった。
心理療法
ここでは、腰痛学級と小冊子、ビデオと認知行動療法が挙げられています。
このうち腰痛学級に関しては、腰痛による休職が復職となることに寄与する可能性は低く、小冊子などでは復職に有用である示唆があります。
腰痛学級と小冊子などによる介入では、腰痛の再発、予防となる結果の期待は薄いものに。
よって心理療法として選択するなら認知行動療法となるのですが、疼痛の軽減などの効果の大きさに期待が小さいことから限定的な効果となることもあります。
代替え医療
代替え医療とは、マッサージなどによる徒手療法や鍼治療、ヨガ、全身振動療法、キネシオテーピング、ナノ光線療法、レーザー療法などが含まれますが、これらが効果の証拠を裏付けるエビデンスとしてないものが殆どです。
限定的に疼痛軽減などのレビューがなされているものもありますが、これらが推奨されている現状ではないとのこと。
理由として、現状の医療制度のうち、これらを提供する公的な資格制度外のものも含まれているから、治療方法を推奨するガイドライン上からは排除されているということ。
限定的な疼痛軽減を示す結果として、鍼治療やマッサージなどの効果の示唆はなされています。
しかし、積極的に実践するべきなのか?という疑問は残ります。
日本の医療制度が気にくわない人は利用しても良いのかと。
まとめ
これらは、医療機関を受診したりする中で、治療方法として積極的に採用されることのない方法として記載がありました。
しかし、これらの方法も限定的な状況では、疼痛軽減や機能改善などの結果もあるため、これらの方法を実行することを止めるものではない。ということ。
私としては、これらの方法をやるぐらいならもっと結果の出やすい方法があるので、そちらを先にやってみては?と考えます。