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【尺骨単独骨折】保存療法のエビデンスについて

Wednesday, December 30, 2020

整形外科

今回は尺骨単独骨折の治療介入について

尺骨は肘から下の骨です。

肘から手首にかけては、橈骨、尺骨と2本の骨がありますが、
前腕部に外傷を受けた際に尺骨のみが単独骨折することがあります。

損傷度合いでは、脱臼も伴ったりはしますが、紹介する論文では単独骨折の治療という内容で書かれていましたので、紹介していきます。

研究内容

・合計237人の参加者を含む4つの試験が含まれました。
4つの試験はすべて方法論的に欠陥があり、潜在的に偏っていました。

・3つの試験で保守的な治療介入がテストされました。
短いアーム(肘の下)のプレハブ機能ブレースと長い腕(肘を含む)ギプスキャストを比較した1つの試験では、骨折合併にかかった時間に有意な差は認められませんでした。

治療中の患者の満足度と職場復帰は、装具グループで有意に改善されました。

1つの試験では、Ace Wrap弾性包帯と短腕石膏ギプスと長腕石膏ギプスを比較しました。

外科的固定のために2種類のプレートを比較した4番目の試験では、2つのグループ間で機能的または解剖学的な結果にも合併症にも大きな違いは見られませんでした。

結論


成人の尺骨幹の孤立骨折に最も適切な治療法を決定するには、ランダム化試験からの証拠が不十分です。現在の保存療法の形態について、適切に設計され報告されたランダム化試験が推奨されます。

まとめ 

私が柔道整復師の資格を取る際に固定の基本として学んだのは、
損傷部位を中心とし、前後の関節を含む固定。
そして、固定範囲は最小限に抑えるべきである。

ということでした。

機能的な面もそうですが、固定範囲が広くなると血流など、圧迫から障害に繋がる可能性を下げるため。と教わっていました。

この研究結果からでは、長め、短めのブレースでもあまり違いがない。ということでしたので、適しているサイズで合わせれば問題ないのかと。

エビデンスと言うには、証拠がなさ過ぎて何の結論もありませんが、
柔道整復師として気になったテーマだったので。


Handoll HHG、Pearce P.成人の尺骨の孤立した骨幹端骨折を治療するための介入。Cochrane Database of Systematic Reviews 2012、Issue6。アート。番号:CD000523。DOI:10.1002 / 14651858.CD000523.pub4。

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