2017年に発表されているガイドラインから私なりにまとめた内容です。
私も持っている柔道整復師の資格受験時には必修な項目ですが、学び直そうということで記事にします。
疫学
発生率
年間発生率は人口1万人に14.5~28人の割合で受傷16歳以上
受傷機転立位からの転倒が最多であり49~77%を占める。
骨折形態転位方向は背側が圧倒的に多く、AO分類ではA型が54~66%関節外骨折
危険因子・高齢
・女性
・独居
・グルココルチコイドの使用歴
・骨粗鬆症
・血清ビタミンD低下
治療の傾向70~90%は保存療法
診断
骨折型分類
諸外国、国内においてエビデンスのある分類法はない。
諸外国ではAO分類、Frykman分類、Melone分類などが使用される。
国内では斎藤分類が使用される。
画像評価X線、CTが有用であり、不顕性骨折の場合にはMRIが用いられる。
合併症状・TFCC損傷 合併率は最大で73.1%で検査法によって異なる。
最も発見しやすいのは手関節鏡で次にMRI、手関節造影という順序である。
理学検査も見当はされるが、客観的な評価は困難で、検者の主観や経験に左右されやすい。
・舟状骨骨折 合併率は最大で54.5%で検査法によって異なる。
最も発見しやすいのは手関節鏡で次にX線、関節造影、MRIである。
・尺骨茎状突起骨折 合併率は51.8~65.9%
手術
関節外骨折に対して手術療法は保存療法より有用か
→不安定型骨折に対しての有用性はある。という認識だそうですが
エビデンスレベル、推奨度としても低いとされています。
転位のある関節内骨折に対して手術療法は保存療法より有用か
→有用である。といわれているが、エビデンスレベル、推奨度としても低いです。
高齢者に徒手整復は必要か
→高度な転位を伴う場合にも提案されている。
但し、エビデンスレベル、推奨度としても低い。
徒手整復に麻酔は有用か
→整復の成否を左右はしないが、苦痛の軽減からは推奨されている。
関節内骨折に関節鏡視下手術は有用か
→有用であり、エビデンスレベル、推奨度としても低中である。
掌側ロッキンプレート固定は有用か
→早期の機能回復において有用であるが合併症には十分に留意する。
エビデンスレベル、推奨度からも中高である。
超音波パルスや電気刺激は骨癒合促進に有用か
→使用を考慮してもよいが、エビデンスレベル、推奨度は低中です。
手関節以外のリハビリテーションは有用か
→固定中の手関節以外には拘縮予防として有用であるが、
握力が戻っていないなどの点で、強く推奨されていない。