KeiS a medical professional

This is a blog about the scientific basis of medicine. A judo therapist reads research papers for study and writes about them.

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【歯科検診】有効性に関するエビデンスについて

Thursday, December 31, 2020

学校教育

今回は学校の歯科検診の有効性について

別の記事で健康診断について書きましたが、今回学校施設で行われる定期的な歯科検診の有効性についてです。

齲歯、虫歯の罹患数は少しずつ増えてきているようですが、
学校の歯科検診については、一般健康診断よりも有用性が高いのではないのか?とも考えますが、そのエビデンスについて紹介します。

研究内容

4〜15歳の20,192人の子供を対象とした7つの試験を含めました。
試験では、3〜8か月の追跡期間を評価しました。

英国で4件の試験が実施され、
2件はインドを拠点とし、
1件は米国で実施されました。

4つの試験では、従来のスクリーニングとスクリーニングなしを評価しました。
「歯科治療」の結果についてメタ分析を行ったところ、不均一性の高い決定的な結果は見つかりませんでした。

ある試験では、特定の(個人的な)紹介状と非特定の紹介状が比較されました。
結果は、一般歯科医サービスへの参加についてはRR 1.39の効果推定、特定歯科矯正医サービスへの参加とあります。(RR-1.9)

ある試験では、動機付けを加えたスクリーニングとスクリーニングのみを比較しました。
歯科治療への参加は、動機付けを加えたスクリーニング後に可能性が高く、
RR 3.08の効果推定値でした。

虫歯の治療を受けた子どもの割合を報告した試験は1件のみでした。

結論


このレビューに含まれる試験では、スクリーニングの短期的な効果が評価されました。非常に低い確度のエビデンスが見つかりましたが、これは、従来の学校の歯科検診が出席率の向上に役立つかどうかについて結論を出すには不十分です。基準に基づいたスクリーニングでは、スクリーニングを行わない場合と比較した場合、歯科治療の出席率が向上する可能性があるという低確度の証拠が見つかりました。ただし、従来のスクリーニングと比較した場合、歯科治療への参加に違いの証拠はありません(非常に低い確実性の証拠)。パーソナライズされたまたは特定の紹介状は、非特定の対応書と比較した場合、歯科の出席を改善する可能性があると結論付けるために、低確度の証拠を見つけました。また、動機付けを加えたスクリーニング(口腔衛生教育および無料治療の提供)が、スクリーニングのみと比較して歯科受診を改善する可能性があるという低確度の証拠を発見しました。治療を必要とする子供については、「自己規制の常識モデル」に基づく紹介状が標準の紹介状よりも優れているかどうかに関して決定的ではない非常に低い確実性の証拠が見つかりました。学校の歯科検診の可能性のある悪影響に対処したり、口腔の健康を改善するための有効性を評価したりする試験は見つかりませんでした。

まとめ 

証拠の確実性は低いものの、短期的なメリットはあったようです。

試験方法で確定させることが出来なかったため、やらないよりはやった方がいい。的な話になります。

ここからは個人的な見解ですが、虫歯は案外気づかないこともあります。

子供のともなれば、親が発見できることは多くはないことを考えますと、
有用性はあるようにも思われますが、話はそこから先のことなのでしょうね。

虫歯を見つけました。受診してください。

と言われて素直に治癒まで通院すれば良いのでしょうが、何らかの理由でそれが成されないこともあるのかと。

単にいい、悪いを決めることは難しい結果なので、
皆様ならどう考えられますか?

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