SARS-CoV-2の変異株にヒトが感染した場合の回復期血清中の中和抗体活性。
Activity of neutralizing antibodies in sera during recovery from infection of humans with SARS-CoV-2 and variants of concern
DuPont, L., Snell, LB, Graham, C., et al. Neutralizing antibody activity in convalescent sera from human infections with SARS-CoV-2 and mutant strains of concern. NAT Microbiol 6, 1433-1442 (2021). https://doi.org/10.1038/s41564-021-00974-0
内容
この研究では、ワクチン候補である変異型スパイク蛋白質によって誘発される抗体の持続性と交差中和活性について、回復期血清の分析からユニークな洞察を得たと研究者が述べています。
Wave 1に感染した38人の血清を用いて、B.1.1.7(α)およびB1.351(β)に対する血清の効力は低いものの、発症後305日目までクロス中和活性を検出することができたとのこと。
時間の経過とともに、SARS-CoV-2のα変異体とβ変異体に対する血清中和力の差は小さくなったが、全体の中和活性は低下していました。抗体の継続的な成熟がスパイク変異への抵抗力を高めることを示唆するため、発症後79日までの間に、α、β、B.1.617.2(Delta)の各変異体に感染した人の血清とWave 1血清の交差中和活性を比較しました。
これらの血清は、感染したVOCと親ウイルスを同程度に中和するが、異なるSARS-CoV-2VOC株のクロス中和は減少していることがわかりました。
これらの知見は、SARS-CoV-2の亜種を防御するためのワクチンの最適化に役立つものだと説明されています。