COVID-19パンデミック時のメンタルヘルスに及ぼすトレーニングルーティンの影響。
Effects of physical activity and training routines on mental health during the COVID-19 pandemic and curfew
Front.Psychol., June 3, 2021| https://doi.org/10.3389/fpsyg.2021.624035
内容
この研究では、COVID-19パンデミックによる緊急事態宣言と外出禁止令が出されている間、身体活動とトレーニングルーティンがメンタルヘルスに与える影響を調査していました。
2つの研究で異なるサンプルを対象に、精神的苦痛と主観的幸福感というメンタルヘルスの構成要素を測定し実施しました。
研究1では、セルビアの外出禁止令の開始時(N = 678)、研究2では外出禁止令の終了時(N = 398)に実施しました。研究1の結果では、エリートアスリートと身体活動レベルの高いアスリートが最も苦痛を感じていないこと、トレーニングルーティンの変更が身体活動者の苦痛に与える影響はスポーツ参加レベルに依存し、トレーニングを減らしたエリートアスリートは、同じくトレーニングを減らしてトレーニングルーティンを維持したレクリエーションアスリートに比べて不安が少ないことが示されました。
パンデミックの初期段階では、エリートアスリートの方が精神的な健康状態や危機的状況への適応力が高いと結論づけられました。
研究2の結果では、外出禁止令が発令されている間、すべての参加者の幸福度が低下したが、パンデミック前と外出禁止令が発令されている期間を比較すると、エリートアスリートとレクリエーションアスリートの間に幸福度の差は見られなかったとのことです。
この効果は、外出禁止令の前と中の両方で見られ、身体活動をしていない人は、活動していない人に比べて、この減少による恩恵をさらに受けていないことがわかりました。
また、運動不足になったアスリートは、同じトレーニングメニューを維持したアスリートに比べて幸福度が低下したことから、パンデミックの後期には、長期にわたる運動不足がメンタルヘルスに悪影響を及ぼすことが報告されました。