アルツハイマー病を発症しやすい性格的特徴。
Association of personality with amyloid and tau: results from the Baltimore Longitudinal Study of Aging and meta-analysis.
Publication date: September 2, 2021 DOI: https : //doi.org/10.1016/j.biopsych.2021.08.021
内容
人の性格における神経症傾向の高さと誠実さの低さは、アルツハイマー病認知症の危険因子であるが、神経病理学的な相関関係は不明です。
本研究の目的は、性格特性とアミロイドおよびタウの神経病理との関連性を、新たなサンプルとメタアナリシスで調査することでした。
Baltimore Longitudinal Study of Aging(BLSA)の参加者は、改訂版NEO Personality Inventoryを記入し、アミロイド(11 C標識Pittsburgh Compound B)とタウ(18 F-flortaucipir)のポジトロン・エミッション・トモグラフィーを受け、その結果、正常なBLSA参加者では、神経症傾向の高さと誠実さの低さが、皮質のアミロイド負荷と関連していました。
この関連性は、年齢、性別、学歴、抑うつ症状、海馬容積、APOEε4をコントロールしても有意に保たれていたといます。また、嗅内嗅覚皮質のタウについても同様の関連性が認められました。
12件の研究を対象とした変量効果メタ分析では、神経症傾向の高さ(N=3015、r=0.07、P=0.008)と統合性の低さ(N=2990、r=-.11、P<0.001)が、より多くのアミロイド沈着と関連していました。
この関連性は認知状態によって緩和され、ヘテロジニアスなサンプルに比べて認知状態が正常なサンプルでより強い効果が見られたことから、性格とプロテオパシーの関連性は、神経精神医学的な臨床症状として現れる現象ではないことが示唆されました。