ヒト大腸がん細胞に対する抗増殖効果が最も高いハチミツは?
Antiproliferative effects of bioaccessible fractions of honey from Sicilian black honey bees (Apis melliferassp. sicula) on human colorectal cancer cells.
First published: May 27, 2021 https://doi.org/10.1111/ijfs.15169
内容
この研究では、花の産地が異なる3種類のシチリア産ハチミツ(Sulla、Thistle、Dill)のバイオアクセスフラクション(BF)とマヌカハニー(ゴールドスタンダード)の抗増殖活性を、標準化されているとされるINFOGEST静置消化法で評価していました。
総ポリフェノール含有量(TPC)に基づいてその効果を比較するために、分化したCaCo-2細胞(腸管様)、未分化のCaCo-2細胞、HCT-116大腸腫瘍様細胞を蜂蜜BFと24時間インキュベートし、生存率、アポトーシス、ミトコンドリア膜電位(MMP)、活性酸素、細胞周期を分析しました。
その結果、消化後のTPCは、ディル>アザミ>スラ>マヌカの順にランクアップしました。分化したCaCo-2細胞では、細胞生存率の低下は認められなかったが、生存率は25〜85%(CaCo-2)、20〜80%(HCT-116)に低下しました。
この生存率の低下は、アポトーシスの増加に伴う細胞周期の遮断と、MMPの消失による活性酸素の増加によるもので、消化後のTPCとの一致から、アザミとディルが最も効果的なハチミツであることがわかりました。
尚、日本で人気のあるマヌカは最も効果が低いことがわかりました。