高齢者における認知症の有病率は、過小評価されている可能性があります。
Self-Reported Dementia-Related Diagnosis Underestimates the Prevalence of Possible Dementia in Older Americans
McGrath R, Robinson-Lane SG, Clark BC, Suhr JA, Giordani BJ, Vincent BM. Self-Reported Dementia-Related Diagnosis Underestimates the Prevalence of Older Americans Living with Possible Dementia. J Alzheimers Dis. 2021 May 18. doi: 10.3233/JAD-201212. Epub ahead of print. PMID: 34024819.
内容
この研究では、認知症スクリーニングの適切な利用法を提案するとともに、報告されている認知症症例の過少報告の現状を調査していました。
高齢者の全国代表サンプルを用いて、診断名が報告されていない認知症と判定された認知機能障害(CICD)の有病率を推定することを目的としていました。
加重分析サンプルにて、脳卒中、がん、神経疾患、脳損傷の病歴がなく、認知機能は、2010年から2016年のHealth and Retirement Studyの認知状態の適応型電話インタビューによって評価されました。なお、これらのスコアが6以下の人は、CICDとみなされる人でした。
その結果、CICDの高齢者における報告されていない認知症関連診断の推定有病率は91.4%だったとのことです。特に、非ヒスパニック系黒人と判定された人が多く、全体的に女性よりも男性の方が有病率が高かったといいます。さらに、高校を卒業していない人のCICDの未報告の有病率は93.5%と推定されました。
研究デザインや診断が自己流であるとのことでしたので、この結果には気になる点がありますが、一考の余地があるのかもしれません。