子どもが親の巣を離れるときの母親の帰責性
Mothers' attributions for alienation from their adult children.
Schoppe-Sullivan, SJ, Coleman, J., Wang, J., & Yan, JJ (2021) Maternal attributions for alienation from adult children. Couple and family psychology: research and practice. Advance online publication. https://doi.org/10.1037/cfp0000198
内容
親子の離反は、成人した子どもとその親に大きな苦痛を与える可能性のある現象です。
そのため、疎外感に対する親の帰責性を理解することは重要であり、親が和解を促進するために必要な変化を起こそうとする意志は、成人の子どもが疎外感を抱く理由をどのように理解するかが大切です。
本研究では、2019年に実施したオンライン調査の定量データを用いて、現在1人以上の成人の子どもと疎遠になっている母親1,035人に回答してもらいました。
母親の疎外感の帰属支持、帰属支持の人口統計学的相関、帰属支持と疎外感のある子どもとの現在の接触レベルとの関係を調べました。
その結果、約半数の母親は、疎外感が始まってから全く接触しておらず、半数以上の母親は、成人した子どもと接触するのは少なくとも1年ぶりであると回答しました。
これらの母親は、子どもに従わない家族(子どものもう一方の実親、成人の子どもの恋愛相手など)が疎外感の原因として、精神疾患や子どもの依存症などの外部起因性を支持する傾向がありました。
母親は、疎外の外的要因に比べて、疎外の内的要因を支持したり、虐待やネグレクトに関する子どもの訴えを正当化したりする傾向が低いという報告もあります。