人々の体力が政治的暴力を予測する。

Physical fitness predicts political violence

DOI: https://doi.org/10.1016/j.evolhumbehav.2021.03.006

内容

これまでの研究では、個人の体力と近代戦争に対する態度への支持との間に関連性があることがわかっており、複雑な軍事技術を伴う大規模な軍事・国家レベルの攻撃では、一人の個人の体力が結果に与える影響は無視できません。

より強い個人がそのような攻撃を支持するという事実は、小規模な連合攻撃に特化した心理を示唆しており、連合メンバーの強さが正味の連合の強さに無視できない貢献をしていると考えられます。

この研究では、単なる支持ではなく、権力が現代の政治的攻撃への参加を説明するかどうかを調べていました。現代の政治的攻撃が主に国家内で発生していることを踏まえ、国家内の政治的暴力、特に暴力的な反政府抗議活動に焦点を当てています。

YouGov社のオンラインパネルから6283名の回答者を抽出し，成人のオンライン人口を代表するサンプルを作成していました。

多国間分析の結果、自己認識された強さは、政治的暴力への参加意欲と自己申告による参加を有意に予測し、この関連性は若年層で強く見られたが、男性では見られなかった。「強さ」の予測力は控えめであったが、攻撃性の予測因子として確立されている「性別」の予測力に匹敵するものでした。

強さが政治的暴力と関連しているという事実は、いくつかの理由で注目されており、進化論的研究からの洞察を用いて現代の政治的暴力を研究するための新しい研究課題を示唆していると説明されています。