極端なカロリー制限は腸内環境を悪化させます。
Calorie restriction disrupts microflora and colony-forming resistance
von Schwartzenberg, RJ, Bisanz, JE, Lyalina, S. et al. Calorie restriction disrupts microflora and colony-forming resistance. Nature (2021). https://doi.org/10.1038/s41586-021-03663-4
内容
この研究では、極端な食事制限の影響を調べていました。
食事は腸内細菌叢を形成する要因であり、宿主の食事環境が細菌叢を変化させることが知られているが、実際の結果はよくわかっていないとのことです。
超低カロリー食を用いた無作為化ヒト介入試験が行われました。その結果、代謝の改善が認められましたが、厳しいカロリー制限により、細菌の豊富さが減少し、腸内細菌叢の再編が起こりました。ダイエット後のマイクロバイオータをマウスに移植すると、ダイエット前のマイクロバイオータを投与したマウスに比べて、体重と肥満が減少しました。
そして、この体重減少は、栄養吸収の障害とクロストリジウム・ディフィシルの濃縮に関連しており、状況として胆汁酸の減少と一致し、毒素依存的にマウスの代謝表現型を再現するのに十分だったとのことです。
今回の研究成果は、宿主のエネルギーバランスの調節における食事と微生物相の相互作用の重要性を強調するとともに、病原性共生細菌と有益な共生細菌の相互作用における食事の役割を理解する必要性を示しています。