消化管損傷と運動強度・運動モードの影響。
Effect of exercise intensity and mode of exercise on gastrointestinal damage
March 16, 2021- https: //doi.org/10.1139/apnm-2020-0883
内容
激しい運動は胃腸障害を増大させると考えられているが、その用量反応関係はまだ解明されていない。そのため、ランニングの方がサイクリングよりも胃腸へのダメージが大きいと考えられています。
2つの無作為化クロスオーバー試験において
1) 運動強度の増加に伴う消化管損傷を定量化した
2) ランニングがサイクリングよりも大きな胃腸障害と関連するかどうかを調べる
これらの要因を明らかにすることを目的とした研究です。
最大酸素摂取量(V O 2MAX)試験では、参加者は異なる強度でのテストを3サイクル(40%、60%、80%で60分間のV O 2MAX;n=10)、70%のランニングでのテストを1サイクル(45分間のV O 2MAX;n=11(女性3名、男性8名))行い、運動の前後に検体を採取し、腸内脂肪酸結合蛋白質(I-FABP)を介して消化管障害を測定しました。
強度におけるI-FABPの変化の大きさはランニングに比べてサイクリングの方が80%高く、モードにおけるI-FABPの変化の大きさはランニングよりも大きく、中程度の効果でした。
知覚された労作の評価(RPE)と心拍数(HR)はサイクリングの方が高く、直腸温はモード間で差がありませんでした。胃腸障害は運動強度の増加に伴い増加することがわかり、ランニングはサイクリングよりも胃腸障害が大きいとは言えなかった。