ファーストフードチェーンの食品中のフタル酸エステル濃度の分析。
Concentrations of Phthalate Esters and Novel Plasticizers in Food Products of U.S. Fast Food Chains: A Preliminary Analysis
Edwards, L., McCray, NL, VanNoy, BN etal. Concentrations of phthalate esters and novel plasticizers in foods of US fast food chains: a preliminary analysis. J Expo Sci Environ Epidemiol (2021) https://doi.org/10.1038/s41370-021-00392-8
内容
ファストフードの消費は,オルソフタル酸エステルへの曝露のバイオマーカーと関連しているとされていますが、ファーストフードの化学組成は不明とのことです。
一部のオルソフタル酸エステル(フタル酸ジ-n-ブチル(DnBP)およびフタル酸ジ(2-エチルヘキシル)(DEHP)など)は段階的に廃止され、他の可塑剤(テレフタル酸ジオクチル(DEHT)など)に置き換えられています。
この研究では、米国のファストフード店の食品や食品取り扱い用手袋に含まれるオルソフタル酸エステル類と代替可塑剤の濃度を予備的に調査していました。
レストランからハンバーガー、フライドポテト、チキンナゲット、チキンブリトー、チーズピザ(n=64の食品サンプル)と手袋(n=3)を入手し、ガスクロマトグラフィー質量分析計を用いて11種類の化学物質を分析しました。
その結果、食品と手袋の両方でDEHTが最も高い濃度で検出され、食品サンプルの81%からDnBPが、70%からDEHPが検出されました。
DEHT濃度の中央値は、ハンバーガーよりもブリトーの方が有意に高く、フライドポテトからはDEHTが検出されませんでした。チーズピザでは,ほとんどの化学物質の濃度が最も低いとのことです。