十分に活動していない男性は、運動トレーニングをしても安静時のテストステロン値に変化はありません。
Effect of Exercise Training on Resting Testosterone Levels in Inactive Men
Journal of Strength and Conditioning Research: October 7, 2021 - Volume - Issue -.
Doi: 10.1519 / JSC.000000000000004146
内容
同化ホルモンであるテストステロンは,男性の健康的な加齢に極めて重要な役割を果たしており,加齢とともに減少する傾向となります。
このシステマティックレビューとメタアナリシスの目的は2つありました。
(a) 運動不足で見かけ上は健康な男性において、運動トレーニングが安静時の総テストステロン値に及ぼす影響を評価すること。
(b) 運動トレーニングの効果が、トレーニングモード、年齢、体重の状態、テストステロンの測定値によって異なるかどうかを調べ、分析すること。
18年間、介入(少なくとも4週間継続する運動トレーニング[4代謝相当以上の強度の任意の様式])、対照(活動が不十分な男性)、アウトカム(安静時の総テストステロン濃度)について、これらの基準でレビューを検索しました。
介入効果は、プールされた分散の逆数で重み付けし、対照群と比較した標準化平均差(SMD)として算出しています。
解析対象となったのは,19~75歳の運動不足で一見健康な男性421人を対象とした11件のRCTで,16の介入群に分かれ,有酸素運動,レジスタンス運動,または複合トレーニングを中央値で12週間行ったものです。
これらの結果、運動トレーニングは安静時の総テストステロン濃度にほとんど影響を及ぼさないことが示されました。(平均SMD[95%CI]:0.00[-0.20~0.20])
また、サブグループ分析の結果、運動トレーニングの効果は、トレーニングモード、年齢、体重の状態、テストステロンの測定値によって有意な影響を受けなかったこともわかりました。
これらは、運動不足の男性において、運動トレーニングが安静時の総テストステロン濃度や遊離テストステロン濃度に影響を与えない可能性を示しているものとなります。