白人が「Black Lives Matter」より「All Lives Matter」を好む理由
Implicit Racism, Colorblindness, and Narrow Definitions of Discrimination: Why Some Whites Prefer "All Lives Matter" to "Black Lives Matter
First published: May 12, 2021 https://doi.org/10.1111/bjso.12458
内容
「現代の公民権問題」と呼ばれるBlack Lives Matter運動があります。このブラック・ライヴズ・マター運動への対抗策として、オール・ライヴズ・マター(ALM)運動が急速に台頭してきたということもあります。
※BLM運動とは、アフリカ系アメリカ人のコミュニティに端を発した、黒人に対する暴力や構造的な人種差別の撤廃を訴える、国際的な積極行動主義の運動のことです。
ALM運動はこれに対して「すべての命が大切」と主張するもののことです。
これまでの研究では、BLMに対するALMの支持を予測するいくつかの因子が検討されてきましたが、これらの因子に人種差別に関連する可能性のある構成要素である人種的偏見のレベルは含まれていませんでした。
クロスセクショナル研究(N = 287)では、人種主義の尺度(暗黙的、明示的)と「人種主義」の構築に関するイデオロギー的スタンス(現代の不平等や差別に対する認識を阻止する)を用いて、白人参加者のALM支持をどの程度予測できるかを調査していました。
重回帰分析の結果、暗黙の人種差別、色盲思想、差別の境界線の狭さは、BLMよりもALMへの支持をよりポジティブに予測することがわかりました。明示的な人種差別、集団的自己愛、右翼的政治志向は、ALMへの支持を予測せず、これらの予測因子の(双方向の)相互作用も見られませんでした。 All LivesMatter運動を理解する上での示唆が議論されています。