骨盤矯正は意味がない!
骨盤矯正は意味がない!
何故意味がないのか?
骨盤矯正で注目される1つに「仙腸関節」と呼ばれる関節があります。仙腸関節は後方を強靱な骨間仙腸靱帯およ び後仙腸靱帯で結合されており,可動域が小 さい.また,その関節面は荷重線に対して垂 直に近く,荷重に対して剪断力を生じやすい 構造をとる.よって,中腰での作業や不用意 な動作あるいは反復性の作業で繰り返しの負 荷で骨盤周囲の筋の協調運動に破綻が生じる と,関節に微小なズレができる.その結果, 運動制限等の機能障害が起こり,痛みが発生 するものと考えられる10).
松本不二生.仙腸関節障害と理学療法─関節モ ビライゼーションの効果について.関節外科. 1999; 18: 554‒558.
上述の文言は仙腸関節由来の腰痛に関する研究論文の一節になるのですが、確かに微小なズレが発生し、運動制限などの機能障害が起こり痛みが発生するものと考えられている、ということは事実となります。こういった状態に対する治療法として一般的なのは「保存療法」でありますが、この部分から解釈が人それぞれになってきます。
保存療法とは、
保存的療法とは、人体を傷付けず、つまり出血させずに治療する方法の総称である。それに対して、観血的療法とは出血させて治療する方法である。
wikipediaより引用
保存療法については上述の通りですが、こういった医療、類似する医療行為が行えるのは国家資格者のみとなるため、「治療」のためやっていますという時点で無資格者は扱えるはずがない行為となっています。
そして、この番組中では整形外科領域に「骨盤矯正」という言葉がないと言っていましたが、これは事実であり骨盤を矯正する保存療法というものは存在していません。よって骨盤矯正と名売って治療行為をすると、公的なレセプトなどに記載する疾患名や対処法でもないので色々とアウトなことが起こっているということです。
巷でやっている骨盤矯正の実態
一般的に行われているのは、骨盤周囲の筋肉をマッサージすることが多いと思われます。中にはカイロプラクティックのような矯正?的なボキッとする行為をしている人もいるようです。
骨盤周囲の筋肉(背面の画像です)はこれだけ種類がありますので、こういった部分は座り続けていたり、寝たきりになっていたり、運動習慣がなくなったりすることで血行不良や筋力の減少など、不都合が起きたりしていますので、そういったことを解消するためにも骨盤周囲の筋肉に対するマッサージを施行して、骨盤を矯正するように見せかけていることがほとんどになります。
こういったマッサージに対しては、リラクゼーションの一環と考えればムダと言い切ることはないのですが、上述のような腰痛に対するアプローチとして科学的根拠が示されているわけでもないため、何を目的として骨盤を矯正するかによってはムダな努力となってしまうこともあるのかもしれません。
因みに、凝り固まったり、運動不足であれば解決法としては、ストレッチなどにより筋肉を伸ばす、運動により筋肉を使うといったことをやっている方が、よほど骨盤”歪み?”に対しては良いようにも思えます。
※過去の当該番組内では、「柔道整復師法により・・・」とありましたが、柔道整復師は骨盤矯正をやっていい、という資格ではないので、柔道整復師でも治ると言い切って治療行為をしていたら、別の法律に引っかかってしまいます。そして、医学会に骨盤矯正というものがないので、治療目的でなければ謳っても構わないので摘発されたりしていないのが現状です。