今回は離断性骨軟骨炎について
離断性骨軟骨炎(りだんせいこつなんこつえん)とは、骨の軟骨(なんこつ)に何らかの外力(がいりょく)がかかり、病変、炎症する症状のこと。
足首の捻挫で誘発されることもある本症を知って頂きたく紹介します。
どんな時に起こるもの?
・先にも書きました「捻挫」によって距骨の力が加わり病変が起きます。
典型例として、「前外側」と「後内側」の病変に分けられます。
・病変が起きるのは距骨(きょこつ)の滑車部に起きます。
どんな特徴?
・足首の関節の運動痛、体重をかけると痛みが発生する、引っかかる感じがする。
という訴えをよく聞く。
・理学所見に乏しく、足関節捻挫の際にX線画像検査にて初めて発見されることがある。
・病変によっては、手術療法が推奨されている。
症例
・14歳 女性
バスケットボールをしていて4か月前に右足を捻挫した。
医療機関を受診し、画像検査で偶然に本症を発見した。
症状はなかったが、3週間前から足関節部に痛みが出現し、片足ジャンプや踏み込みで痛みが発生していた。
MRI検査にて高信号域が確認されたため、CT検査を行い、病変部が軟骨下骨まで及んでいることがわかった。
Berndt A. L.,Harty M. : Transchondral fractures(osteochondritis dissecans)of the talus,J Bone Joint Surg Am,41:988-1020,1959.
まとめ
足関節捻挫で合併されるものとして注意したい症状の1つ。
捻挫の繰り返しや症状が長続きする。という時は離断性骨軟骨炎を考えます。
保存療法(手術をしない治療)では、症状の軽減が緩やかだったり、寛解しないこともあるため、手術療法を検討する症例があることも多く聞きました。
医療従事者の方は結構見逃しているようですので、しっかりと見つけていきたいものでした。