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【casereport】シンディング・ラルセン・ジョハンソン病の概要と症例について

Monday, January 4, 2021

整形外科

今回はシンディング・ラルセン・ヨハンソン病について

聞きなれない人もおられるでしょうが、我々医療従事者としては必ず知っているはずな疾患。

他の疾患との鑑別が重要であり、鑑別できなければ骨折などを見逃すことになりやすい症状なため、小学生でもわかってもらえるよう??に紹介します。

どんな時に起きるのか?

・10歳代前後の男児に起きやすく、膝の曲げ伸ばしのうち、伸ばすことを頻繁に繰り返すことによって起こる。

・膝蓋骨、膝のお皿の先端に限定された痛みを訴える。

どんな特徴?

・患者には痛い所を指さしてもらう。

・ジャンパーズ膝と同様に明らかな外傷はない場合もある。
圧痛部位が異なるので、ジャンパーズ膝との鑑別は容易である。

・明らかな外傷を伴っている場合は、sleeve骨折を考慮する。

・一般的には保存療法で対応する。

・画像所見上sleeve骨折と類似しているが、本症は安静によって寛解するため、鑑別は可能である。

症例

・11歳 男性
テニスをしていて、2週間前より膝を伸ばした時の痛みがあるとのこと。

痛みは膝蓋骨下端部を指し、大腿四頭筋のストレッチ時に痛みを訴えた。

画像所見では膝蓋骨下端部に骨化異常を認め、安静を指示した。

2か月後に再検査し、癒合傾向が確認された。

まとめ

骨端線が閉鎖する前後に牽引力(引っ張る力)が加わり発生する症状。

私の臨床経験では1例のみがこの症状と判断しましたが、何事もなく症状は寛解しました。

その子は試合を控えていたので、安静にしながら治療介入していましたが、
1か月後には復帰できる状態になりました。

名前だけでもご存知ください。

シンディング・ラルセン・ジョハンソン病です。

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