今回はシンディング・ラルセン・ヨハンソン病について
聞きなれない人もおられるでしょうが、我々医療従事者としては必ず知っているはずな疾患。
他の疾患との鑑別が重要であり、鑑別できなければ骨折などを見逃すことになりやすい症状なため、小学生でもわかってもらえるよう??に紹介します。
どんな時に起きるのか?
・10歳代前後の男児に起きやすく、膝の曲げ伸ばしのうち、伸ばすことを頻繁に繰り返すことによって起こる。
・膝蓋骨、膝のお皿の先端に限定された痛みを訴える。
どんな特徴?
・患者には痛い所を指さしてもらう。
・ジャンパーズ膝と同様に明らかな外傷はない場合もある。
圧痛部位が異なるので、ジャンパーズ膝との鑑別は容易である。
・明らかな外傷を伴っている場合は、sleeve骨折を考慮する。
・一般的には保存療法で対応する。
・画像所見上sleeve骨折と類似しているが、本症は安静によって寛解するため、鑑別は可能である。
症例
・11歳 男性
テニスをしていて、2週間前より膝を伸ばした時の痛みがあるとのこと。
痛みは膝蓋骨下端部を指し、大腿四頭筋のストレッチ時に痛みを訴えた。
画像所見では膝蓋骨下端部に骨化異常を認め、安静を指示した。
2か月後に再検査し、癒合傾向が確認された。
まとめ
骨端線が閉鎖する前後に牽引力(引っ張る力)が加わり発生する症状。
私の臨床経験では1例のみがこの症状と判断しましたが、何事もなく症状は寛解しました。
その子は試合を控えていたので、安静にしながら治療介入していましたが、
1か月後には復帰できる状態になりました。
名前だけでもご存知ください。
シンディング・ラルセン・ジョハンソン病です。