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【casereport】腓骨筋腱脱臼の概要と症例について

Monday, January 4, 2021

整形外科

今回は腓骨筋腱脱臼について

腓骨筋腱脱臼(ひこつきんけんだっきゅう)とは、外くるぶしの後ろ側を通る腱が、
元々通っている場所から外れることです。

どんな時に起きるのか?

足が固定された状態で、ふくらはぎ全体が外回りするような力が加わると、
腓骨筋腱を抑えている上腓骨筋支帯(じょうひこつきんしたい)が緩む、切れることによって起きます。

特徴は?

・受傷時に、外くるぶしの辺りに強い腫れがある時は本症を疑う。

・腱の脱臼は、自発的に脱臼させることは稀です。
医療従事者は腱の脱臼の有無を確認するために、誘発テストを行う必要はあります。

・足首の捻挫と併せて起きることがあります。

・足首が強く腫れているからと本症、或いは骨折と判断するには容易でないこともあります。
腱脱臼の場合は、腫れが引いてから判断されることもあります。


症例

・16歳 男性
1週間前にサッカーの試合中に足を踏ん張った時に「バチっ」という感覚とともに、外くるぶしの部分に痛みが出現した。

その後もプレーを続けることは出来たが、同様の症状を繰り返していたため、臨床所見、検査から脱臼と判断された。

手術の適応とされ、長腓骨筋腱脱臼、短腓骨筋腱の縦断裂が認められた。

まとめ

足関節の捻挫に併せて起きる。ということも押さえて頂きた症状でした。

私個人としては、腱脱臼はないものの、腱断裂の症例は確認したことがあります。

意外とスポーツ競技は出来るけど痛みが引かない、というやっかいな状態でしたので、
捻挫後、足首をグッと踏み込んだ時などに痛みが起きた時は専門への相談を。

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