今回は愛着の心理学について
人と人との関わり合いの心理学のうちに、「愛着理論」というものがあります。
この理論曰く、子供時代に経験した愛着関係が大人になってからのパートナーとの関わり方に影響を与えるようです。
よって、自身の愛着スタイルの把握と他人に対する対応や問題点などを再確認したり、子育てをしている人はそれらを把握することが子供の将来のパートナー選びなどに関係してくるかもしれない「愛着理論」を紹介します。
愛着スタイル
安定型(子供のとき)
特徴として、自分の欲求を満たしてもらえる環境に育つ子供はこのスタイルになる。
子供の欲求に敏感で、素早く、一貫とした対応をする養育者という特徴もあります。
自分の欲求を満たされている子供は、自分の置かれた環境を探索することが出来、安心感を抱くことが出来ます。
そして、安定型の子供が成長すると、
安定型の成人になります。
特徴として、パートナーとの関係を信頼し、必要に応じ助けを求め、相手を支え、慰めることを出来る大人になります。
しかし、精神的に自立しているとはいえませんが、パートナーへの愛情に満ちたスタイルです。
葛藤型(子供のとき)
特徴として、養育者が自分の欲求を満たしてくれるとは思っていません。
この養育者は、振る舞いに一貫性がなく、子供に関心がしっかりと向かないこともあれば、子供の欲求に敏感に感じることもある。
その子供は心が安定せず、不安や怒りを抱いている。
そして、葛藤型の子供が成長すると、
不安・捉われ型の成人になります。
特徴として、拒絶されることを常に恐れているため、パートナーに纏わりつき、過大な欲求、強迫症患者と似た状態となる。
片時もパートナーと離れたがらず、その恋愛は相手に対する本当の愛や信頼でなく、精神的な飢えに突き動かされたものとなる。
回避型(子供のとき)
特徴として、養育者が子供に対して距離を置く。
子供は欲求にあまり応じて貰えず、自分の欲求は満たされないものとして意識下で感じ取り、精神的に他者との距離を取るようになります。
回避型の子供は安定した愛着関係を育むことが出来ません。
そして、回避型の子供が成長すると、
拒絶・回避型の成人になります。
特徴として、他人と精神的に距離を置いているため、自分に対する集中し自立しているように見えます。
しかし、見せかけの自立であるため、パートナーから別れを告げられても気に掛けるそぶりも見せないこともあります。
無秩序型(子供のとき)
特徴として、この型の養育者は突拍子もない言動で子供を怯えさせています。
この養育者は虐待をしたりしますが、自分自身が無気力で恐怖心を抱えていたりすることが原因であったりします。
無秩序型の子供は、欲求を満たす手段を持たないまま、心を閉ざして周囲に関心を示さなくなる。
そして、無秩序型の子供が成長すると、
恐れ・回避型の成人になります。
特徴として、態度が極端に揺れ動き、どんな感情を見せるのか予測がつきません。
パートナーと暴力的な関係になることもあります。
パートナーに安心感を求める気持ちと、相手に近づきすぎて傷つくのを恐れる気持ちの間で引き裂かれている感情を抱いています。
まとめ
これらの愛着スタイルに育むきっかけとして、「養育者」という表現が箇所にあったと思います。
この養育者は、食事を与えたり、おむつを替えたりする人ではなく、子供と交流して一緒に遊ぶ相手であるということ。
養育者という受け取り方によっては、勘違いもされるかもしれませんが、一緒に遊んだりする相手であるということがわかると、案外回避型や葛藤型などの子供が増えてきそうなこともわかります。
パートナー関係として、安定型の人は最も安定した関係性が築けます。
それ以外はダメなのか?ということではなく、それぞれの特徴から、関係性を深めるためには違った努力をする必要があるということです。