今回はクローン病に対する抗生物質について
いくつかの研究ではクローン病に対する抗生物質が評価されているようですが、
それについて調査している研究論文を紹介します。
研究内容
13のRCT(N = 1303参加者)が適格でした。
比較には、
・シプロフロキサシン(500 mg 1日2回)対プラセボ
・リファキシミン(1日800〜2400 mg)対プラセボ
・メトロニダゾール(400 mg〜500 mg 1日2回)対プラセボ
・クラリスロマイシン(1 g /日)対プラセボ
・コトリモキサゾール(960 mg)が含まれます
すべての抗生物質をプラセボと比較してクラスとしてプールし、抗腫瘍壊死因子(anti-TNF)を含む抗生物質と抗TNFを含むプラセボをプールしました。
結論
中程度から高品質のエビデンスは、アクティブCDに含まれる抗生物質によってもたらされる利点は控えめであり、臨床的に意味がない可能性があることを示唆しています。高品質のエビデンスは、プラセボと比較して抗生物質による有害事象のリスクが増加しないことを示唆しています。深刻な有害事象のリスクに対する抗生物質の効果は不明です。CDの寛解の維持に対する抗生物質の効果は不明です。したがって、CDの寛解を維持するための抗生物質の有効性と安全性に関する確固たる結論は導き出せません。CDの治療としての抗生物質の有効性と安全性を判断するには、さらに研究が必要です。
まとめ
エビデンスの質として高いものの結論によると深刻な有害事象はないとのことでしたが、
研究結果によっては、意味がない場合もありました。
結局有効性と安全性を示すものはありませんが、このデータからは抗生物質に期待は持てないのかと。
Townsend CM、パーカーCE、マクドナルドJK、Nguyen TM、Jairath V、Feagan BG、Khanna R.クローン病の寛解の誘導と維持のための抗生物質。系統的レビューのコクランデータベース2019、第2号。番号:CD012730。DOI:10.1002 / 14651858.CD012730.pub2。