今回は外反母趾について
2014年に発刊されているガイドラインからまとめた内容を紹介します。
CQ
・診断は画像診断にてHV角20°以上のものを「外反母趾」とする。
診断補助としてフットプリントを使用することもある。
・外反母趾の病因は内的、外的とあるため確定した要因は言い切れない。
巷で言われている靴の影響などもあるが、TMT関節の不安定性も検討されることから安易に靴のみに原因があると考えないもの。
・外反母趾と開帳足、偏平足との関連性が研究にて発表されているが、否定的な研究結果もあり、現状関連性はないものと考えられている。
疫学
発症要因
・内的→遺伝、性差、解剖学的要因
・外的→履物、加齢
・家族内発症もある。
・男性に比べ女性が多い。
・先天性もある。
・裸足でいる人より履物を履いている時間が長い人の方が発症しやすい。
・ハイヒール靴を履いていると発症しやすい。
保存療法
・Hohmann法→ゴムバンドを使い、母指外転筋を強化する体操
・靴指導は除痛効果が期待できる。
・運動療法は矯正、除痛効果が期待できる程度。根拠性は低~中程度。
・装具療法で除痛効果の期待ができる程度。HV角3~7°の修正の期待もできる。
・除痛には薬物療法。
継続して保存療法を行う際、過矯正や不適合などにより疼痛増加の可能性もあることを考慮する。
予後
・根拠性は低~中程度ですが、思春期の亜脱臼から外反母趾に進行、放置し続けると症状は改善しない、片側から両側に進展することが考えられている。
・手術療法は10年前後の成果は良好であるが、それ以降については明らかでない。
外反母趾の臨床評価には、
・疼痛
・靴
・歩行
・不整地での安定性
・アライメント
・関節可動域
・患者満足度
というものを考慮する。
まとめ
手術療法以外を省き、根拠性があるものだけを記載しております。
外反母趾になると、歩けないほど痛い!ということもあります。
私自身も初期の外反母趾になったことがありますが、
靴と運動療法で改善した経験があります。
臨床経験から、運動療法で症状が緩和はしますが変形は治せません。
変形まで改善するとなりますと、手術療法の選択も考えたほうが良いのかもしれません。
予防。という意味では母趾外転筋の強化から始められては如何でしょうか?