今回はリステリア症について
食中毒の1つでもあるリステリア症ですが、デリバリーの肉などから感染するということで、注意が促されています。
どういったもので、どういった時に起こり得るのか?ということを紹介します。
症状
他の食中毒のように、発熱、下痢を引き起こすこともありますが、肝心なのは感染した人によって症状が異なるということです。
妊娠している人では、発熱、倦怠感、筋肉痛などのインフルエンザ様症状が起こりますが、胎児への影響が大きく懸念され、流産、死産、早産などのリスクがあります。
妊娠していない人では、発熱、頭痛、筋肉痛、肩こり、けいれん、バランスの崩れなど身体的症状が特徴となるため、リステリア症とわかりづらい時もあります。
潜伏期間は1~4週、ケースによっては70日後に発症したという症例もあります。
この場合は低侵襲性リステリア症の特徴とはなりますが、この発症には感染者の免疫機能に依存する面もあります。
高齢者や免疫機能不全症の人は、敗血症、髄膜炎、髄膜脳炎といった臨床症状が特徴ともされています。
病原体
リステリア・モノサイトゲネスは通性嫌気性の棒状のグラム陽性菌です。
通常は無菌状態で細菌培養され、容易に分離されます。
そして、環境に広く行き渡っている菌で、土壌、水、腐敗した植生から採取することができ、凍結、乾燥、熱、比較的高レベルの酸、塩分、アルコールなど、さまざまな条件に耐えることができる丈夫な生物です。
他の食品由来の病原菌とは異なり、標準的な冷蔵庫の温度で増殖する可能性があるため、調理する必要のない食品などが問題になることもあります。
感染する
CDCの調査によれば、食中毒による死因として3位に位置するリステリア菌であり、毎年推定1,600人がこの菌による症状を引き起こし、うち約260人が亡くなっているともされています。
前述のとおり、免疫不全、高齢者、妊娠中の女性が感染リスクが高いが、健常な人は発症する可能性は低いという見方がされています。
感染する食品の例として
・低温殺菌されていない牛乳で作られたチーズ
・生のもやし
・メロン
※保存する温度、切ってすぐに食べない場合は注意
・ホットドッグ
・デリバリーの肉
・魚の缶詰
※保存方法を間違っている場合
・低温殺菌されていない牛乳
まとめ
冷蔵庫の過信や調理方法の不十分、期限、洗うものはしっかりと行うなどのことに気を付ける必要があります。
日本国内では、2014年あたりに警鐘がなされていたりしていましたので、もう忘れていったり、知らなかったりする人もおられるかもしれません。
食衛生法があるとはいえ、過信しすぎないように気を付けたいものです。