今回は慢性疾患を持つ子、親への心理療法について
慢性疾患は喘息や糖尿病など、それぞれを含めているものですが、
治療にはかなりの労力と精神力が必要とされます。
そのために介入する心理療法についてエビデンスを紹介します。
研究内容
治療後の4697人の参加者を含む44人のRCTがあります。
研究には
・喘息(4)
・癌(7)
・慢性疼痛(13)
・糖尿病(15)
・炎症性腸疾患(2)
・皮膚疾患(1)
・外傷性脳損傷(3)が含まれます。
療法の種類には
・認知行動療法(CBT; 21)
・家族療法(4)
・動機付け面接(3)
・多体系療法(4)
・問題解決療法(PST; 12)が含まれます。
病状による親の結果の評価
心理療法は、がんの治療後および追跡調査を受けた小児の子育て行動を改善する可能性があります。
心理療法は、がんの治療後および追跡調査を受けた小児の親のメンタルヘルスを改善する可能性があります。
親のメンタルヘルスは、治療後の糖尿病の子供の研究では改善しませんでした。
心理療法の種類による親の結果の評価
CBTは、治療後の子育て行動を改善する可能性があります。
PSTは、治療および追跡後の子育て行動を改善する可能性がある。
残りの分析については、親の結果に対する治療の効果を評価するにはデータが不十分でした。
有害事象
ほとんどの研究(32)は、研究期間中に有害事象が発生したかどうかを報告しなかったため、治療の安全性を評価できませんでした。
6件の研究で、著者らは有害事象は発生しなかったと報告した。
残りの6件の研究では有害事象が報告されており、心理療法に起因するものはなかった。
結論
心理療法は、がん、慢性疼痛、糖尿病、および外傷性脳損傷の子供の親の子育て行動を改善する可能性があります。また、心理療法の有益な効果は、がんと慢性疼痛のある子供の親の親の精神的健康を改善する可能性があることも発見しました。CBTおよびPSTは、子育て行動を改善する可能性があります。PSTは、親のメンタルヘルスも改善する場合があります。ただし、エビデンスの質は一般に低く、ほとんどの結果を評価するにはデータが不十分です。新しい調査が実施されると、調査結果が変わる可能性があります。
まとめ
限定的な疾患ではあるものの心理療法による有用性の可能性は示されています。
認知行動療法や問題解決療法といった方法で結果が得られているため、
心理療法全般にコレが当てはまるわけではないようで。
心理療法と聞くと抵抗もあるのかもしれませんが、
子供を支える親の心理状況などを支える可能性もあるため、
「1人」で悩まず。ということが必要に思われます。
ご参考までに。
Law E、Fisher E、Eccleston C、Palermo TM。慢性疾患の子供および青少年の親に対する心理的介入。系統的レビューのコクランデータベース2019、第3号。番号:CD009660。DOI:10.1002 / 14651858.CD009660.pub4。