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腰椎の不安定性とは?骨がグラグラすることではありません!

Monday, January 11, 2021

医療基礎知識



 今回は腰椎の不安定性について


腰椎の不安定性と聞くと何を想像しますか?

不安定性という言葉が入ると、関節が緩いなどの「緩い」というイメージを持ったりしませんか?


私自身も諸先輩方より不安定性=関節が緩いと習っていましたが、納得できずに調べてみましたので以下より説明致します。



腰椎の不安定性とは?


腰椎の不安定性とは、「僅かな負荷により、生理学的椎間運動が生じる領域」のなかで腰椎の動きを制御できずに、「生理学的椎間運動の最終領域」まで動いてしまうこととされています。


※不安定腰痛症というものがあり、そちらは椎間関節を支持する組織などが障害を受け、骨同士がグラグラ動いてしまう状態のものがありますが、それとは別のこと。



腰椎の安定性とは?


腰部を安定させるものとして、
・受動サブシステム
・自動サブシステム
・神経系サブシステム
というもので構成されています。


受動サブシステムは、靭帯、関節、関節包などがあり、生理学的椎間運動の最終領域を安定させるために働く。

これらの組織は、動きを強制的に制御するが、負担がかかることで腰痛となることもある。


自動サブシステムは、多裂筋、腹横筋、脊柱起立筋などが、僅かな負荷により、生理学的椎間運動が生じる領域の安定性に関わる。

多裂筋と腹横筋は脊柱に直接付着するため、分節1つ1つの動きを、脊柱起立筋は直接の付着はないが運動時のトルクを発生させ腰部の安定性に関わっています。

そして、神経系サブシステムは自動サブシステムを適切なタイミングで使用するものとなる。


つまりは、腰部の安定性を適切にするならば、自動サブシステムと神経系サブシステムが適切に働いている必要があります。




スタビライゼーションエクササイズ

腰部の安定性を行うためには、スタビライゼーションエクササイズのような有効性のあるエクササイズがあります。


このエクササイズは筋肥大を目的とせずに行うため、強い負荷が必要とされません。

目的として、各動作中に腰部中間位が保てるようにエクササイズします。


エクササイズ例

・座位(ベットなどに座らせる)にて、膝関節伸展、股関節屈曲を行いながら、腰部中間位を保つ。

・四つん這いにて、骨盤の前後運動を行いながら、腰部中間位を保つ。



触診について


前述にて、腰部の分節運動などの文言が挙げられていますが、正しく触診することは出来ていますか?

私が遭遇したトンでもない触診をする医療従事者は、直接L1の棘突起を触り始め症状の判断を行っていました。

一般的に、伏臥位にてヤコビー線を確認し、L4,5の棘突起を触知した後にL3,2,1と順に触知し分節の特定が可能とされています。

先に述べたトンでも医療従事者は、臨床歴が長いからそういうことが出来るなどを言っていますが、L1と指した箇所はTh11と大きくずれているというエピソードでした。


私はたまたま遭遇しただけなのかもしれませんが、不安定性に対するエクササイズなどを施行する際はこういった確認、検査を行なった方が理想的です。



まとめ

不安定性とは、何らかの障害を受けたため骨がグラグラすることではなく、椎間運動の領域が大きすぎるケースことを指していたようです。

私自身も学び直した内容でしたが、こういった事柄は体幹を鍛えるや体を持ち上げるなどの、各競技やエクササイズにて求められる事柄に直結していきます。

いや、よくわからんし、と思った方は腰部の筋肉と神経が安定性に関わっているため、それらを活用するために腰の位置を保ったまま行うエクササイズが良いです。ということで。

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