今回は手根管減圧術の縫合糸について
手術をすると皮膚を開きます。
開いた皮膚は塗って閉じます。
そんな時に使うのが縫合糸なのですが、吸収されるもの、されない素材があります。
単に吸収されないものですと、抜糸するための再負担が考えられるので吸収糸の方が良さそうなもの。
そんな糸に関する成果や術後の副作用などについて研究された論文を紹介します。
研究内容
5つの無作為化試験(255人の参加者)を含めました。
試験はすべてヨーロッパで行われました。(英国、アイルランド共和国、デンマーク、オランダ)
参加者の平均年齢は48〜53歳。この試験では、術後1〜12週間の結果を測定しました。
結論
証拠の質が非常に低いため、吸収性縫合糸が手根管減圧後の非吸収性縫合糸と比較してより良い、悪い、または同等の結果をもたらすかどうかは不明です。吸収性縫合糸を使用すると、縫合糸を除去する必要がなくなり、患者と医療提供者の両方にかなりの節約がもたらされます。縫合糸の選択を知らせるために、経済分析を伴う厳密に実施された非劣性のランダム化試験が必要です。
Wade RG、Wormald JCR、FigusA。手根管減圧術後の皮膚閉鎖のための吸収性縫合糸と非吸収性縫合糸。Cochrane Database of Systematic Reviews 2018、Issue 2. Art。番号:CD011757。DOI:10.1002 / 14651858.CD011757.pub2。
まとめ
どちらが良い。と言う結論は出ずにシンプルに吸収性縫合糸の利点に軍配は上がりそうです。
今回は手根管減圧術に関するものですので、他の術にこの結論が当てはまるかはわかりません。
ほほ~ぐらいな内容ですが、もし自分が手術する!となった時の選択に後悔はしないように、吸収性縫合糸ってどうなのですか?が言えるようになったのかと思います。