今回は足関節捻挫に対する超音波治療について。
何かのきっかけで捻挫をして、治療したことがある方は経験したことがあるかもしれない超音波療法。
自分自身もそうですし、患者からもこれの効果についてどうなのか?ということを疑問にされることもしばしば。
一応、資格取得での必修項目に超音波治療についても概説のみ学びましたが、
人体の深部まで到達する非侵襲性の温熱療法である。ということだけ。
では実際に効果の方を研究している論文の結論を紹介します。
研究の内容は?
606人の参加者を含む6つの試験が含まれた。
5件の試験では、超音波治療と偽超音波の比較が行われました。
3件の試験には、超音波と他の3種類の治療法の単一比較が含まれていました。
バイアスのリスクの評価は、試験方法と結果の不十分な報告によって妨げられました。
5つのプラセボ対照試験(偽超音波)のいずれも、1〜4週間の追跡調査で、任意のアウトカム指標について、真の超音波治療と偽の超音波治療との間に統計的に有意な差を示さなかった。
1週間での全般的な改善のためのプールされたリスク比は、能動型超音波対擬似超音波の場合、1.04(変量効果モデル、95%信頼区間0.92〜1.17)でした。
介入群間の差は、ほとんどの二分法の結果について、一般的に小さく、0〜6%であった。
結果は?
このレビューに含まれている5件の小規模プラセボ対照試験の証拠は、急性足首捻挫の治療における超音波の使用を支持していません。超音波による潜在的な治療効果は、特にこれらの傷害のための通常短期間の回復期間の文脈では、一般的に小さくそしておそらく限られた臨床的重要性のように思われる。しかしながら、利用可能な証拠は、超音波療法のための最適な投薬スケジュールが有益であり得るという可能性を排除するには不十分である。
まとめ
超音波療法を支持する結論は得られませんでしたが、研究結果の更新で覆ることもあるようです。
そして、限定的な条件下においては効果の期待ができる。という含みもありました。
よってこの治療に割く時間よりも別の方法を模索した方が患者のその後にも利益となるのではないでしょうか?
急性の捻挫ということであれば、保存的な療法でも十分な転帰が得られることは臨床や研究からでもわかっていることです。
という物議を醸しだしそうな結論でした。
ファンデンベケロムMPJ、ファンデルワルトDAWM、terリートG、ファンデルハイデンGJ、バウターLM。急性足首捻挫のための治療用超音波 系統的レビューのコクランデータベース2011年第6号。品番:CD001250。DOI:10.1002 / 14651858.CD001250.pub2。