今回は腰痛を持つ患者の要求について
非常に興味深い内容を持つ論文が見つかりました。
とはいえ、この結論がすべてである!とまでは言いませんが、
何を聞く?という土台になること間違いなし。
では、どのようなものだったのか?ということを紹介します。
研究内容
・3733件の研究のうち本件の基準を適したのは100件の研究レビューでした。
得られた有益な情報
・患者は自身の腰痛に関する情報を発信することに積極的である。
・しかし、患者自身は腰痛のことに関してよくわかりません。
・解剖学的な情報が欲されています。筋肉なのか、骨なのか、別の臓器、組織なのか。
・痛みの原因を知るために必死になっています。
・患者は病気の正確な診断には、身体的な接触検査と画像検査の両方が必要だと思っています。
・説明のつかない痛みは望んでいないので、画像検査などで明らかにして欲しい。
・将来の労働に不安を残したくないので、腰痛ながらも働ける手段を欲します。
・麻痺したらどうしよう。など未知の症状に怯えることもあります。
・患者は自分の腰痛を管理することに積極的です。
自分が何ができるのか、処方箋が欲しい、痛みを無くすためのエクササイズも積極的に取り組む気持ちがあります。
などなど
医師が望まれていること
・患者は一般開業医が「最新」の治療法を求めていることに気づかないことがあります。
・補完医療に携わる医療従事者(理学療法士、柔道整復師、カイロプラクターなど)の代替え案も欲しいのですが、エビデンスに基づいた最新の情報を欲しています。
・情報が多すぎて混乱しています。
一貫した情報が欲しいのですが、希望通りにならないことの方が多いです。
しかし、何かあった時は医師は患者本人を責めるのでしょう。
まとめ
医師も含まれる医療従事者が望まれていることは、「一貫性のあるエビデンスが確かな健康情報」だそうで。そして、その情報がどこから出典されているものなのか?ということも欲されているようで。
根底にあるのは、「確定診断」であったということで、適当なことを言っている医療従事者は望まれていないということに。
経験が長い医療従事者は問診票を見た時点で症状を決めつけたりもし、実際に患者の話も聞かずにクローズクエスチョンでYESが欲しいだけのことがあります。
それは求められていないということで。
まぁ至極当然なことですよね。
自身の痛みで「お任せする」と言ってくる患者は少なく、「自分で何とかしたいけど」という気持ちを感じることの方が多いです。
このブログもそのためにやってはいるのですが、普段から接する時には尚注意が必要だと改めます。
https://doi.org/10.1016/j.jphys.2019.05.010