KeiS a medical professional

This is a blog about the scientific basis of medicine. A judo therapist reads research papers for study and writes about them.

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【脱毛症】ガイドラインから学ぶ治療方法について

Sunday, December 20, 2020

医療基礎知識

今回紹介するのは、円形脱毛症のガイドラインについてです。

このブログは、医学と健康に関して後悔しないような選択肢をとってもらうために、 科学的根拠の高い論文などを紹介し、それをどう使っていくべきなのか?を私が解説・提案していくブログです。


2017年に発刊されたガイドラインから根拠性の高い情報、推奨度が高い治療法ってどんな結果がでているのか?という所を紹介していきます。

私も男性なので脱毛という言葉は多少でも気にはなるところですので、一緒に学んでいきましょう!!



疫学から


〇男性型脱毛症とは?

前頭部や頭頂部の頭髪が、柔らかくなって細く短くなり、
最終的には頭髪が皮表に現れなくなる現象のこと。

日本人男性の場合には 25~30歳代にかけて著明となり、
徐々に進行して40歳代以降では完成と言われている。

統計から、日本人男性の発症頻度は全年齢平均で約30%

男性型脱毛症の発症には遺伝と男性ホルモンが関与している。

〇女性の場合は、男性と異なり頭頂部の比較的広い範囲で薄くなるパターンとして観察される。

発症時期も男性と異なり、更年期に多く見られる。

現在では男性型脱毛症より「女性型脱毛症(female pattern hair loss)」という病名を用いることが国際的にも多くなってきている.


診断や病理学については省いていきます。


では、治療方法について。(推奨度Aのみを紹介)

・フェナステリド(男性型の場合はA)

12 件のランダム化比較試験を用い、3,927名の男性被験者を対象となった。

観察期間 12 カ月~24 カ月以上のシステマティック・レビューにおいて、
脱毛部1cm2あたりの硬毛数は投与6 カ月後(p<0.001)、
投与24ヶ月後(p<0.001)のいずれの時点でもプラセボ群より有意に増加していた。

性機能障害についてはプラセボ群より上昇する傾向があるとしている。

フィナステリド(1 mg/日,0.2 mg/日)を用いた、
414 名の「日本人」男性被験者を対象とした観察期間48週間で実施された
ランダム化比較試験においては、頭頂部の写真撮影による効果判定によると、
1 mg/日では58%が軽度改善以上の効果があり、
0.2 mg/日では54%が軽度改善以上の効果が見られた。

そして、1 mg/日投与を継続した非ランダム化比較試験では、
2~3年間の継続により,軽度改善以上の効果が各々78%の症例で得られ、
その率は増加傾向を示していた。

副作用は気になるところですが、徐々に効果は出てきそうにも思える結果かと。


・デュタステリドについて

16件のランダム化比較試験をを用いて、4,950名の男性被験者を対象とした。

観察期間6~60カ月のシステマティック・レビューにおいて、
頭髪写真評価で毛量増加を示した被験者比率を比較したところ、
本薬0.5mg/日内服群はプラセボ群に対して優れた効果を示した。

また、本薬を0.5 mg/日とフィナステリド 1 mg/日を用いた917名の男性被験者を対象とした観察期間 6 カ月のランダム化比較試験において、
全毛髪数と毛直径の増加についてはデュタステリドの方が優れた効果を示したが、
直径60μm以上の硬毛数では両者間に有意な差がなかった。

さらに、頭頂部および前頭部の写真評価で、著明悪化-3から著明改善+3 の7ポイントスコアリングが行われ,治験担当者のスコアリングでは両群間に有意な差はなかった。

3名のエキスパートパネルによる評価ではデュタステリドの方が優れた効果を示していた。

しかし,その点数差は頭頂部では0.14、
前頭部では0.24とわずかなもの。

これらから、両者の効果差については今後さらなる検討が必要です。

副作用に関しては性機能障害が3.3~5.4%の報告はされていたようで。



・最後にミノキシジルについて

男性型脱毛症に対する14件のランダム化比較試験と1件のシステマティック・レビュー。

女性型脱毛症に対する10件のランダム化比較試験と1件のシステマティック・レビューが実施されていました。

まず男性型脱毛症に関しては、2%ミノキシジル液を用いた5件のランダム化比較試験から924名の男性被験者を対象とした観察期間24週のシステマティック・レビューの結果はこうなりました。

2%ミノキシジル群ではプラセボ群に比べ、脱毛部の総毛髪数がベースラインより平均で 20.90 本(95%信頼区間 9.07~32.74)と有意に増加しました。


女性型脱毛症に関しては、1%、2%、および5%ミノキシジルを用いた8件のランダム化比較試験を用いた1,242名の女性被験者を対象とした。

観察期間24~32 週のシステマティック・レビューにおいて、ミノキシジルの有効性が明らかになった。

ミノキシジル群ではプラセボ群に比べ、
脱毛部1cm2内の毛髪数が平均で13.18本(95%信頼区間 10.92~ 15.44)と増加した。

※全文読みたい人はコチラから→



直接論文の閲覧をしたわけではありませんが、脱毛症になった時には何らかの対処法は医学的に用意されていることがわかり、少し安心しました。


記事で紹介している処方薬などは専門医から処方されるものであり、
個人で輸入して自己判断で使用することは決しておススメしません。


副作用の報告もされているため、専門医に相談してから治療を始めることが現状早い解決策かもしれません。

男女問わず髪に関しては相談しづらかったりするもの。


私は禿げてきたら剃る!と決めていましたが、今回読んだガイドラインからは剃る前に専門に相談してから剃るかどうかを判断しても良いかな?と思っています。

遺伝など自分ではどうしようもなかったりいますが、いつそうなっても良い準備のため、瞑想でもしますか!

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