今回はバレエダンサーの膝の特性について
バレエダンサーの下肢は、膝が過伸展して、足関節が底屈するのが特徴といわれています。
これはバレエダンサーの足は膝が伸びすぎて、足がつま先立ちの状態であることを意味しています。
柔らかすぎるから?
生まれつきに柔らかい人もいるようですが、そうでもない人もいますので一概にバレエダンサー=柔らかいという発想はしないほうが良いです。
しかし、柔らかすぎても怪我のリスクは増えますので、一定の可動域と筋力のバランスが求められています。
まず、自身が柔らかいのかどうかをチェックしてみましょう。
全身関節弛緩性テスト(GJL)
手関節・親指が手首につく
肘関節・肘を伸ばした時に、上腕と前腕で15°以上の過伸展がおきる
肩関節・背中で手と手をつなぐことが出来る
体幹・立位で、体を前に倒し床に掌すべてがつく
股関節・仰向けの状態で、足を伸ばした際に踵が親指2本分浮く
足関節・足首を曲げた時、膝を伸ばしたままで30°、膝を曲げて45°以上曲がる
これらに当てはまる関節の部分は、柔らかすぎる可能性があります。
ここで1つ勘違いしやすいのは、関節が緩いことと、膝の過伸展がイコールでない場合もあります。
膝は過伸展の状態だが、関節のゆるさは小さいという時もあるということです。
バレエダンサーはX脚
バレエダンサーの膝はX脚であることも特徴とされます。
しかし、一般的なX脚とは違うことを以下に述べていきます。
一般的なX脚
・膝蓋骨は正面を向く
・膝同士はくっつく
・足関節が離れている
バレエダンサーのX脚
・下肢が外旋し、膝蓋骨が外を向いている
・膝は過伸展している
という違いがあります。
バレエダンサーのX脚の作り方
バレエダンサーのようなX脚を形作るには、以下の可動域が必要になります。
・股関節の外旋可動域 30~50°
・膝関節過伸展角度を獲得
・膝関節の外旋を獲得 ※膝関節自体はそこまで捻れないので、股関節の外旋が必要に。
・足部の外転可動域 20~30°
・脛骨の外捻角度の獲得
これらの起点として考えられるのは、股関節を如何に外旋させられるのか?ということです。
外旋角度のない股関節で、無理にターンアウトをしても、膝が捻じれ怪我をしたりすることが増えます。
そして、この関節可動域は日々のトレーニングで培われるものでもあります。
鍛えるべき筋肉
バレエのバーレッスンやセンターレッスンの繰り返しでも鍛えられる筋肉もありますが、中には意識しないと活用し辛いものもあるようですので、以下に述べます。
・大腿四頭筋
・縫工筋
・大腿二頭筋
・半腱様筋
・半膜様筋
・薄筋
・長内転筋
・短内転筋
・大内転筋
・恥骨筋
・外閉鎖筋
これらは動作を行うだけのものではなく、アティチュードやパッセといったポジションをキープするために使う筋肉もあるため、トレーニングの方法も単一なものではない必要があるようです。
まとめ
バレエのエクササイズが流行っていたりするようなので、バレエダンサーのような体つきになりたい人には参考にして頂ける内容かと。
全身弛緩性のテストだけでもやってみても、自分の体を知る機会としては面白いのかもしれません。
チェックする際は関節の角度を測る角度計などを用いると良いと思いますが、一般の家庭にはないと思われます。
ちなみに私は上述のテストはすべて当てはまり、怪我をしやすい体となっております。