今回はウィキペディアでスキルブーストさせる?について
ウィキペディアはご覧になられますか?
私自身は薬理学の知識が欲しい時は閲覧したりしますが、
掲載分野によれば、見てもあまり参照にならないことがほとんどです。
しかしウィキペディアに有用的な使い方ができる?という論文を見つけましたので、
その内容を紹介します。
研究の内容は?
参加者は、電子メールとWebベースの学習管理システムであるWiki Educationダッシュボードを介して募集されました。
13のフォーカスグループは、学期中に参加するインストラクターに電子メールを送信して募集されました。
3つの調査(N = 1228、N = 888、N = 558)では、さまざまな質問、主に定量的であるが定性的およびフォローアップの質問、13のフォーカスグループを使用しました。
合計1627人の学生と97人のインストラクターが調査に回答しました。
結論
教室でウィキペディアを使用するという反応はさまざまです。
(30%が否定、30%が中立、40%が肯定)
この調査では、学生の大半がより多くの時間を費やしていることがわかりました。
(31%の時間に対して20%の時間の短縮)
Wikipediaの課題に対する取り組みに満足しており、
(50%満足、37%満足、13%満足なし)
さまざまな方法で課題の価値が高くなっています。
学生達に身に付いたスキル
ウィキペディアを通じて学生達は「批判的思考」を学べることに気づきました。
この学習を通じて、批判的思考を育むことは有意的であり、
ウィキペディアはその成長を後押しさせるということを結論付けました。
何故、批判的思考が育まれるのか?と言いますと、
「この記述されている情報の信憑性」について考えるようになるからと説明されています。
ウィキペディアには、ソースが不明な情報が記載されていることもしばしばです。
生産性の向上
ウィキペディアを通じて学習する際に、与えられた項目を効率的に編集し、情報を収集する。という行動が顕著になります。
つまりは、求められる情報の開発を貢献する力が身に付くというもの。
パブリックライティング
ウィキペディアは不特定多数の人々に見られるものです。
通常学生達にとってライティングする際に見られる相手は教師や同級生に限られることがほとんどです。
しかし、この学習によって一般的に閲覧される場所にライティングするという機会は、
人に伝える力が身に付くに他ありません。
まとめ
ウィキペディアを通じた学習によって期待できる効果をまとめます。
・より複雑化された課題を達成する成功パターンの習得。
・一般的に閲覧されるデータベースへのアクセスにより、ライティングスキルの向上。
・批判的思考
・編集作業におけるグループワーク
・社会問題などのトピックに触れる機会
これらは習得しようと思っても、環境を整えないと中途半端なものになりやすいです。
しかし、部分的には鍛えることのできるスキルもありますので、
自信にあった学習スタイルを採用することも推奨されます。
ネットが当たり前な昨今では、批判的思考については育ちやすくなりますが、
批判だけで、それをどうやってアイデアの糧にするのかはその人のスキルになります。
非常に興味深かった論文でしたので、紹介しました。
https://doi.org/10.1016/j.compcom.2019.01.008