今回は子供の肥満に対する薬物療法について
世界的には増加している傾向にある子供の肥満。
日本人では少ないようにも思えるのかもしれませんが、
実際には増えているような体感もあります。
日常生活の習慣を変えることが肥満の改善となるヒントですが、
中々に難しい場合は薬物療法に頼ることもあるのかもしれません。
その薬物療法のエビデンスについて紹介します。
研究内容
21件の試験を含め、8件の進行中の試験を特定しました。
含まれた試験では、
メトホルミン(11試験)
シブトラミン(6試験)
オルリスタット(4試験)を評価し、
1試験の試験群ではメトホルミンとフルオキセチンの組み合わせを調査しました。
進行中の試験では、メトホルミン(4試験)、トピラマート(2試験)およびエクセナチド(2試験)を評価しました。
合計2484人が含まれた試験に参加し、1478人の参加者が薬物介入に無作為化され、904人が比較群に参加しました。
18の試験では、比較群でプラセボを使用しました。
2件の試験はクロスオーバー設計であり、残りの19件の試験は並行RCTでした。
介入期間の長さは12週間から48週間です。
結論
この系統的レビューは、肥満の小児および青年に対する介入に関する一連のコクランレビューの一部であり、薬理学的介入(メトホルミン、シブトラミン、オルリスタットおよびフルオキセチン)は、肥満の小児および青年のBMIおよび体重の減少にわずかな影響しか及ぼさない可能性があることを示しています しかし、これらの薬物の多くは、小児および青年の肥満の治療に認可されていないか、中止されています。試験は一般に質が低く、多くの場合、介入後のフォローアップ期間が短いかまったくなく、ドロップアウト率が高い(ドロップアウト全体で25%)。将来の研究では、十分な力と長期の追跡調査を実施して、薬理学的介入の長期的な影響が包括的に評価されるようにすることに焦点を当てる必要があります。有害事象は、特に少なくとも1つの有害事象を経験した参加者の数を指定する、より標準化された方法で報告する必要があります。小児および青少年に使用されるすべての新薬の試験に関する規制当局(米国食品医薬品局および欧州医薬品庁)の要件により、高品質試験の数が増加するはずです。
ミードE、アトキンソンG、リヒターB、メッツェンドルフMI、バウルL、ファイナーN、コーペレインE、オマリーC、エルズLJ 小児および青年の肥満治療のための薬物介入。Cochrane Database of Systematic Reviews 2016、Issue11。アート。番号:CD012436。DOI:10.1002 / 14651858.CD012436。
まとめ
上述されているように、薬物療法に関する確たる証拠はなく、効果があったとしても僅かなものだそうです。
特別に患っている疾患と言うものがなければ、親の生活習慣などが子供の肥満に影響することもあります。
頼らなければならない状況になる前に対処したいところですが、
こういった結果があると事前対策しなければ!ともなるのかもしれません。