今回は動機付け面接に必要な基本的な技術について
動機付け面接をいざ行う、となっても形式を知らないと出来ないと仰る方向けに基本的な技術を紹介していきます。
基本としてはOARSという考え方がありまして、
O:開かれた質問
A:是認
R:聞き返し
S:サマライズ
というものになり、基本ではあるが容易で単純と言う意味ではなく、
臨床場面で用いるためには十分に訓練が必要なものである。という前提だそうで。
聞き返し
MIを行うには最も重要であるとも考えられている「聞き返し」について。
聞き返しが行われるとクライアントへの関心、共感、理解を示します。
簡単なようにも思えますが、実際には聞き返しているようでクライアントの話が聞けていないこともあり、熟練した人でも注意しながら行っている聞き返し。
では、聞き返しに該当しない例として、Thomas Gordonは12グループにそれらの言動の特徴を示しています。
⑴命令、指示、注文
→指示がその背景にある権威によって与えられること。
⑵警告、脅し
→指示と似ているが従わなかった場合の結果も含まれる。
⑶アドバイス、示唆、解決法の提供
→経験に基づく1つの方法を勧める。
⑷論理で説得、議論、講義をする
→クライアントは問題を適切に論じられない、と思い込んでいる。
⑸責務について道徳的に説明する、説教する、教える
→クライアントは道徳的教育が不足していると考えている
⑹判断、批評、異議を唱える、非難する
→クライアントの話、自身に問題があると示唆する。
⑺同意、是認、賞賛する
→同意と不同意を分け、コミュニケーションを止めてしまう。話し手と聞き手が対等でない。ということも示唆される。
⑻恥をかかせる、嘲笑う、罵倒する
→大抵はもんぢ亜となる行動や態度を正すために向けられるが、そうでない場合もある。
⑼解釈、分析する
→よく使われる手法。真の問題や隠された意味を探りあて、解釈を与える。
⑽元気づける、同情する、なだめる
→クライアントの元気を回復させる意図で使用されるが、使い方を間違えるとコミュニケーションを止める落とし穴になる。
⑾質問する、探りを入れる
→質問は良い傾聴と誤解されやすい。質問をすれば問題解決が見えてくる、と考えられるが、これもコミュニケーションを止める。そして話し手にとって質問されることは関心事でもないこともある。
⑿引き下がる、注意をそらす、機嫌をとる、話題を変える
→コミュニケーションを逸らすだけではなく、クライアントの発言内容が重要ではなく、続けるべきではない。という意味にもなる。
聞き返しとは
クライアントが何を言おうとしているかに興味を持ち、クライアントが持つ知識に敬意を払う、という考えに基づく手法である。
聞き返しの種類
参考にしている著書には、聞き返しの分類がされています。
単純な聞き返しとは、クライアントが言ったことをそのまま離れないようにする。ということ。
複雑な聞き返しとは、クライアントの発言の奥にあるものを聞き返すこと。
控えめな聞き返しとは、クライアントの表現したそのままのレベルの言葉を用いたり、多少控えめな言葉で聞き返すこと。
両面性のある聞き返しとは、クライアントの発言の中にある両面性を際立たせること。
まとめ
今回はMIにおける技術の中で重要な「聞き返し」について紹介しました。
聞き返しがどれだけ単純なものでないか、が伝わって頂けるかわかりませんが、練習が必要であることは絶対です。
私自身はカウンセラーではありませんが、接客業や対人コミュニケーションの中でこれらを実験的に繰り返すことによってカウンセリングについて円滑に進めることが段々とできるようになりました。
勿論、多くの失敗を積み重ねた上になりますが、12の落とし穴とも表現される上述したものについては当てはまることだらけでコミュニケーションの失敗例に該当します。
私は自分のことを「コミュ障」と自覚していますが、他人から見るとそうでもなかったりと評価されることがあります。
それは動機付け面接を身に着けるにあたっての技術を使っているだけであるため、
コミュニケーションに不都合を覚える人にはおススメな技術でもあります。
ふわっと紹介しましたが、ご興味ある方は参考書などで読んで使って練習してみてください。