映画などでは、個人間で心拍数を同期させることがあります。
Conscious processing of narrative stimuli synchronizes heart rate across individuals
DOI: https : //doi.org/10.1016/j.celrep.2021.109692
内容
心拍数は通常、自律神経系の機能に起因する自然な変動があると考えられています。
最近の研究では、意識的な処理が心拍のタイミングに影響を与えている可能性が示唆されており、心拍数は意識的な処理によって調節され、注意の焦点に依存しているという仮説が立てられています。
この仮説を証明するために、研究者らは、同一の物語刺激(映画鑑賞など)を提示することで、被験者間で神経プロセスが同期するかどうかを検証していました。
その結果、研究者の予想通り、聴覚的または視覚的な物語を提示したときに、心拍数の有意な被験者間相関(ISC-HR)が観察されました。これは、仮説と一致して、被験者が物語から気をそらすとISC-HRが減少し、ISC-HRが高いほど物語の想起が良好になることを示しています。このことから、心拍変動は意識的な処理によって部分的に駆動され、注意状態に依存しており、無反応の患者の意識状態を評価するための簡便な指標となる可能性があると結論づけられました。