今回は鎌状赤血球症による吃音と持続勃起症の治療について
鎌状赤血球症とは遺伝性の貧血症のことで、「鎌状」な異常赤血球が血管に詰まることで様々な症状が引き起こされるものです。
疫学として、黒人種に発症しやすいそうで、症状としては黄疸や臓器障害などが代表的です。
症状のうちに吃音や持続的な勃起なども挙げられるようで、参照にしている研究では薬物治療を対象とし、その証拠を検証していました。
研究の内容
ジャマイカ、ナイジェリア、英国で102人が参加した3つの試験をレビューしたものです。
試験では、4つの異なる薬物治療がプラセボと比較されました。
・スチルベストロール
・シルデナフィル
・エフェドリン
・エチレフリン
すべての試験は、治療が持続勃起症の発作が発生する頻度を減らすかどうかを調べています。
プラセボと比較して、どの治療法にも違いはありませんでした。
質の高いエビデンスがないため、鎌状赤血球症における持続勃起症の最善の治療法を結論付けることはできません。
レビューアの結論
鎌状赤血球症における吃音と劇症持続勃起症の両方に対するさまざまな治療の利点またはリスクについてのエビデンスはありません。この系統的レビューは、鎌状赤血球症における持続勃起症に対する特定の介入の有効性を評価する、適切に設計された、十分な能力を備えた多施設ランダム化比較試験の必要性を明確に特定しました。
まとめ
ほぼ黒人にのみ起こり得る疾病として各誌に掲載されているものですが、国境の垣根が低くなる昨今ではこういった疾病に遭遇することもあり得ます。
貧血、疼痛、急性胸部症候群なども起こることから、頭の片隅にこの疾患を入れているために記事にしています。
Chinegwundoh FI、Smith S、Anie KA 鎌状赤血球症の少年と男性の持続勃起症の治療。システマティックレビューのコクランデータベース2020、第4号。アート。番号:CD004198。DOI:10.1002 /14651858.CD004198.pub4。