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【栄養素】ナイアシンって何だろう?摂り過ぎ、摂らな過ぎについて【医療従事者】

Tuesday, December 15, 2020

論文

今回はナイアシンが注目されている件について

ビタミンB3でもあるナイアシン。

いつも通りNIHのホームページで栄養素の勉強をしようと色々と資料を漁っていると、
ナイアシンが注目されている?ような見出しがありました。

様々な食品などに含まれていたり、サプリメントにもなっていたりと特段に変わっていることはないのですが、何でそんな注目されてるの?という推測な内容を紹介します。

健康に関すること

心血管疾患


数ヶ月または数年に渡って摂取される非常に高用量のニコチン酸(RDAの100倍以上)は、脂質異常症の有効な治療法です。

研究1

1950年代後半以降に行われた研究では、これらの用量により高密度リポタンパク質(HDL; "good")コレステロールレベルが10-30%増加し、低密度リポタンパク質(LDL; "bad")コレステロールレベルが10-25%減少することが示されています。

しかし、多くの公開された臨床試験にもかかわらず、専門家は、特にその副作用、安全性の懸念、および患者のコンプライアンスの悪さを考慮して、心血管疾患を治療するニコチン酸の価値に同意しません。

研究2

1970年代の1つの大規模な臨床試験では、1つ以上の心臓発作を起こした30から64歳の8,341人の参加者がランダム化され、平均3,000 mg /日のニコチン酸またはプラセボを含む5つの脂質低下薬の1つを服用しました

ニコチン酸を服用している人は、5年間の治療で血清コレステロール値を平均9.9%、トリグリセリド値を26.1%低下させました。

5年から8.5年の治療期間中、これらの参加者は、致命的でない心筋梗塞が有意に少なかったが、プラセボ群よりも不整脈が多かった。

全体的な死亡率および冠動脈性心疾患を含む原因別死亡率は低下しませんでした。

研究3

心血管疾患が確定した3,414人の患者を対象とした初期のランダム化臨床試験は、コレステロール低下薬に加えてナイアシン(1,500-2,000 mg /日徐放)を服用している患者では心血管イベントが少なくないことが3年後に判明しました。

また、ナイアシンを服用している患者は虚血性脳卒中のリスクが高いことが示されました。

臨床試験データを調べた2017年の2つの系統的レビューの著者は、たとえ治療によりHDLコレステロール値が上昇し、総コレステロール、LDLコレステロール、およびトリグリセリド値が低下したとしても、ニコチン酸療法はアテローム性動脈硬化症からの保護を提供するとしてもほとんどないと結論付けました。

研究4

29,195人の患者を対象とした3件のランダム化比較試験の2018年のレビューでは、スタチン単独投与患者よりもスタチン薬に加えて1〜3g /日の徐放性ニコチン酸を投与した患者の全死因死亡率が10%増加したことがわかった

血中コレステロール値を下げるためのガイドラインでは、米国心臓病学会および米国心臓協会は、スタチン療法と比較して、またはスタチン療法に加えて、非スタチン療法は、それらの潜在的な害を上回るアテローム硬化性心血管疾患のリスク低減効果を提供しないことを助言しています。

全体を通して

全体として、エビデンスは、ニコチン酸の補充が血中脂質プロファイルを改善するが、心血管イベントのリスクに有意な影響を及ぼさないことを示しています。


どちらかというと

これらの研究結果を見ると、どれも心血管疾患のアレコレに良い結果はあまりないことが書かれていました。

どちらかと言えば、積極的に摂ることよりも不足して「ナイアシン欠乏症」というもののことも書いてありました。

「ぺラグラ」を発症しやすくなるため、先進国では珍しいこととされていますが、貧困地域や食事の偏りなどでも起こっていることがあり対応しているようで。

まとめ

日本人なら普段から摂っている食品でも十分に摂れてるのじゃないのか?というナイアシンですが、あまり関係ない様にも思えるような内容でした。

重度な栄養失調などでもない限り、この水溶性ビタミンが極端に欠乏することはないのかもしれませんが、意外にペラグラという症状は医療の試験などでも出てくる単語です。

しかし、薬物療法を実践している人にとってはこれらの過剰摂取は薬物の作用を阻害する懸念もあります。

食事療法などで、各種栄養素の制限がある時はちゃんと理由があるのですよ。

ということが注目されているのか?とも思えるものでした。


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