KeiS a medical professional

This is a blog about the scientific basis of medicine. A judo therapist reads research papers for study and writes about them.

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【心理学】医療従事者がとるべき暴言、暴行対策は?って研究

Sunday, December 20, 2020

心理学

今回紹介するのは、緊急時に対応する医療と怒りについてです。

このブログは、医学と健康に関して後悔しないような選択肢をとってもらうために、 科学的根拠の高い論文などを紹介し、それをどう使っていくべきなのか?を私が解説・提案していくブログです。

怒りに対する対策ではなく、緊急時にどれぐらい怒りや不安な感情が発生しているのか?
というものです。

但し、論文内には怒りや不安が発生してしまう要因の検討がなされていましたので、
それを対策と捉えて頂くことはできるのかと思い、記事にしました。


今回の論文のケースは、緊急搬送された自分の子供が治療を受けている時に、
不安は感じるでしょうが、怒り、暴行などの暴力的行為に至るのかをアンケートにて調査していました。

2006年のBoz氏より報告されている事柄では、
緊急医療に携わる医療関係者の88.6%が暴言を受け、49.4%の人が暴行を受けたことを報告していました。
この報告は1年間の間に起きていることで、中々高頻度にこういった発言を受けているものですね。

そして研究ですが、グラナダ、アルメリア、ハエン、マラガ州の13の保健所から合計1517名の子供親が対象となりました。

うち164人は義務教育的なものを受けておらず、456人が小学校卒レベル、538人が義務教育終了から高卒ぐらい、359人が大学卒ぐらいの学歴だったようです。

アンケートは診療している際の待ち時間に行われたもので、内容は怒りなどに関する質問項目だったようです。

両親からのアンケートでは自分の子供が命に係わる重症度合いを把握できているのは、
全体の9.9%で、軽症は47.3%、中~重症までは42.8%という認識度合いであることがわかりました。


まず、両親は「緊急」というワードが自分の子供に連想されるだけで、不安感を覚えます。

そして、搬送される施設によっても不安は増大し、小児救急センターと一般の小児科とは救急センターの方が不安は増大します。

ここまでは、当然じゃないの?と思われるかと思いますが、不安によりも怒りに関することの方が興味深く結果としてあげられています。

不安が増大する緊急、救急センターなどの環境下では、相関して怒りが増大するわけではありません。

むしろ、緊急時などになればなるほど怒りを覚える両親は少なくなっていきました。

実際に調査されたデータと研究データが一致していないようにも思えますが、
要因として考えられることが2つあります。

・精神的障害による不安や怒りはコントロールすることが困難なため

・緊急時に行われるはずである医療が適切に行われない


例えば夜中自分の子供が緊急搬送されたとします。
搬送された病院では、救急医療に詳しくない内科の先生が1人しかいません。

なんだかよくドラマとかであるシチュエーションですね。

こんな場面でまともな対応ができないこともありますよね。
そんな時に怒りなどは発生しているようです。


ということは、両親などから誹謗中傷や暴力行為を回避するとすれば、

・その子供携わる医療関係者が両親のケア(インフォームドコンセントや説明など)を行う

・できる限りを尽くす。

としかないのかと。


どうしても医療が発達している分、どんな状況でも助かるかも!?と思ってしまっている人が多いためこういったトラブルには巻き込まれやすいのも緊急時の医療にはつきものなのかもしれません。

緊急時だけではなく如何なる場合にも相手の怒りなどは買いやすいですが、
怒りを回避できるなら日頃からできることはあるかと考えます。

勿論、自分の保身に走ってしまうと怒りを向けられやすくなるでしょうから、
対応する人、その家族に応じた対策をする必要があるというように感じます。



ここからは、私がメディカルトレーナーとして対策していることをお伝えしようと思います。

賛否両論はあるでしょうが、一例としてご覧ください。


例えばですが、骨に異常がある恐れがある場合。

まず、決して言わない、言えないこととしては、

・骨の病気です
・これを放置すると歩けません

という否定的な言葉を避け、業務の範囲で考えられる伝え方をしています。

・骨を抑えると痛みを訴え、実際に運動時にこういった動作で痛みを感じています。
 このままでは本人が集中して運動できないため、専門機関で診察を受けられてください。

というような言い方をすることが多く、
仮に私が考えていることのような状況だったらと、
その症例の転帰を伝え、自分が行った検査などを紙に書いて専門機関に行って頂いています。


後は、親と子に合わせて説明をすること。

現場に行く時にはいつこういった状況があるのかわからないので、
事前に対処方法の確認や必要最低限な道具だけは用意すること。

こういった時こそ、共感などは必要なので心理学を学んでいて良かったな~と
感じることも。

参考にしたい方はコチラ→

心理学を学んでいるから、自分の思い通りに誘導するってことではなく、
相手の気持ちを知るために役に立ったという意味ですが、
これらのことが何かの参考になれば幸いです。




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